〈お茶以外の話をしようじゃないか〉「晴天を衝け」にあやかりたい話
我が家にテレビが無くなってからもう10年以上。
それでも昨年は大河ドラマ「晴天を衝け」が面白かった、という話をよく耳にしました。
世間一般では、こうした「人気モノ」が出るとそれに便乗した商売が生まれるのが常です。
というわけで私自身もその古典的手法の力を借りて、当店のエピソードを紹介します。
〈きっかけ〉
冒頭写真は、「小田原文化財団 江之浦測候所」に行ったときのものです。
お伝えしたいのは、美術館のなかで、この題字を偶然発見!
杉本博司氏が書かれていることをその場で知りました。
ちなみにここを紹介してくれた前職同期は、以下のお店づくりで杉本氏と一緒にお仕事をする幸運な機会に恵まれたようです。
お店の扉には「屋久杉」、また床のタイルの一部には「瓦」等々、ここでは書き切れない「こだわり」の詰まったお店です。
機会があればお立ち寄りください。
話が逸れました。
とにかく、たまたま訪れた場所で偶然目にした「晴天を衝け」の文字。
これは神様が「便乗してよし!」と言っているはず、と勝手に解釈。
というわけで、しばしの「便乗こばなし」(小自慢?)にお付き合いいただけますと幸いです。
〈渋沢栄一と繁田家〉
写真は豊岡町(現在の埼玉県入間市)に現存する明治末期に建てられた旧・黒須銀行(現在の埼玉りそな銀行)です。
渋沢栄一が設立にかかわった銀行は、今では全国で5か所しか現存していないとのこと。
ところで、何が当店のルーツである繁田家と関係があるのか。
この黒須銀行は渋沢栄一を顧問に迎え、繁田満義によって設立された銀行です。
※繁田満義は日本で初めての直輸出会社「狭山製茶会社」を設立し、不正茶の是正にも取り組みました
また、満義の次男で、豊岡町長を25年間務めた繁田武平も、公民教育のための埼玉県初の豊岡公会堂を建設するため、渋沢栄一の支援を受けています。
※以下、NHKのサイトにも
〈自身のルーツを知る〉
企業に20年勤めていた間、私は自身のルーツに無関心でした。
というのは「現時点において自身の力を発揮しているのか否か」は、これまでの家系や歴史に一切関係ないからです。
そして、この考えは今も変わりません。
むしろ「事業は祖先がするものではない」「歴史があるから、その商品が評価されるのではない」と改めて実感する毎日です。
その一方で、家業に入って新しく生まれたのは「先人たちはどのような想いで商売をしてきたのか」という興味関心です。
より切実な思惑をいえば、先行きが容易にはみえないなか「自分たちの事業を信じる何か」を求めるように。まさに神頼みですね。
良いか悪いか、この答えはまだ見つかっていません。
それでも、激動の時代において世の混乱や世界と対峙した先人たちの足跡は、何者でもない小さな商店の私を「信じることをやるだけ」という気持ちにさせてくれます。
というわけで、とにもかくにも、本日も良いお品物をお客様へお届けしてまいります。
〈お届けのご案内〉
・当店の(小)自慢ばなしにお付き合いいただきまして、ありがとうございます
・小さなお茶屋ではありますが、新しいご縁と変わらぬご支援をいただけますと幸いです
・ご自宅にお手軽な急須がない方は、こちらもお薦めです
・お茶のお話を聞いていただける方はこちらをご覧ください