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マーブルの旅人(セルフライナーノーツ)
前作、「Rain」が「静」だったとするならば、今回の「マーブルの旅人」はサウンド的には明らかに「動」だと思いますが、実は歌詞の世界観で言えば、そこまで激しいものではなく、どちらも「孤独」を曲の中で表現したいと思って作ったという点において、自分の中では割と同じベクトルにある曲ですね。
ただ、「Rain」は誰かの事を想いながら感じる「孤独」であったのに対して、「マーブルの旅人」は人が人であるが故感じる抗うことが出来ない「孤独」について歌っています。
「人は誰しも1人で生まれ、1人で死んでいく」
一見、それは悲観的にも感じるのですが、「孤独」というのは、僕の捉え方では、もっと中庸的なイメージが強く、必ずしも感覚から排除したいものではないんですよね。
また、孤独の感覚があるからこそ、誰と繋がりたくなりますし、物思いに耽ったり、静寂の中に心地よさを感じたり、そういう部分ってあると思うんです。
HANCEの曲は、全ての楽曲ではないにせよ、喜怒哀楽のダイナミクスを楽しむ音楽というよりは、その間にある、ファジーな領域を掴んで楽しんでいただけたらと思っています。
一方、歌詞ではなく、サウンド面に関して言えば、今回は、クラブジャズテイストが強い、疾走感溢れるイメージを軸として、プロデューサーの石垣さんとアレンジを詰めていきました。
特に気に入っているのは、間奏部のピアノ、ホーンセクション、ドラムソロのたたみかける流れ。こちらの曲のハイライトではないでしょうか。
MVではワルサーPPKを構えたり、タバコをくゆらせたり、かなりハードボイルドな印象になっていますが 笑
そういうコミカルな部分も含めて、今回の作品を楽しんでいただけたら嬉しいです。 HANCE