【社会人博士】①入学までに必要なもの、②入学試験について

(書いた日:2021/02/07)

私は、2020年の夏に、社会人博士課程の入試を終えている。
まだ入学前ではあるが、入試前後で分かったことを2点記載する。

①入学までに必要なもの・こと
 (1)入学までに必要なもの
 (2)入学までにあったらいいもの
 (3)無くてもいいもの

の3点に分けて記載する。

(1)入学までに必要なもの、こと
・志願者の研究業績調書

社会人博士過程の出願時提出書類に「調書」というものが存在する。どこの馬の骨かわからない人を入学させる訳にはいかない為、設けられているのだと思う。出身大学に出願する場合、教授陣が受験者を知らないというケースは稀である為、大学側は余り重要視していない書類と思われるが、ちゃんと資料を作るのは意外と大変である。

・学歴、職歴、研究歴
・今までの研究業績(査読論文、学会発表、特許)
・博士課程の研究計画
・具体的なスクーリングの方法

などを記載する。
内部進学生は、同じような資料を学振申請の際に散々作っているかと思うが、社会人博士過程出願生は作成した資料のストックが少なと思われる為、早め早めに作成し、指導教官に記載をチェックを依頼することをお勧めする。

作成時は面倒だなと思っていたが、この調書が社内説明に役に立った。
「私はこのようなことを指導教官と打ち合わせしている為、予定通り学位を取得できる見込みだぞ」という説明資料になったからだ。
できるだけ作り込むことはお勧めである。

・入学金、授業料費用
社会人博士課程では、内部進学生と違い、学振や奨学金制度、授業料免除制度を受けることが難しい為、通学にかかる費用は全て実費である。会社から支援を受けることができない場合、個人のお財布から支払う必要があるが、割と大きな額になる。私(国立大)の場合、ざっくり

・入学金:30万円
・授業料:50万円×3年
・その他:論文投稿費、学会参加費など

合計200万程度は必要である。私立大の場合、授業料は国立大よりも大きな額になると想定される。個人負担としては中々な額だ。

・所属予定研究室の研究費事情の確認
入学先の大学教官との密な連絡は不可欠である。3年間で学位をとるためには、学生本人はもちろんの事、指導教官が3年でこいつを卒業させるぞ、という意思及び段取りがないとほぼ学位取得は厳しい。
特に、研究費が潤沢にあるかは確認しておく必要がある。社会人入試で入ってくる学生は、「研究費に関しても会社から支援がある」と考えてしまっている指導教官が多い。自分が獲得した科研費を使わず指導ができないかとまず考えるのだ。
社会人博士過程を志願している人には色々な会社事情があると思うので、自分の会社の支援状況をしっかりと指導教官に伝え、密な打ち合わせをするべきである。

(2)入学までにあったらいいもの
・査読論文

学位取得要件は、大学、専攻によって様々であるが、査読論文が要件に含まれない場合は聞いたことがない。
「入学後にアクセプトされたものに限る」という制約は考えにくいため、
入学前にアクセプトされた論文があることで、余裕持った研究計画をすることができる。

(3)無くてもいいもの
・入試に向けた勉強

②でも述べるが、社会人博士課程の入試は、筆記試験である可能性は低いと考える。勉強は不要であるが、今までの研究成果に関してをまとめるなどの準備時間はある程度取っておくべきである。

・研究時間
語弊があるようであるが、研究時間はあまり気にしなくていいと思われる。
工学系で言えば、社会人博士課程に進学している人は沢山いる訳で、皆同じ研究環境なのである。
会社がブラックで土日勤務が当たり前にあり、休日がないよ、という場合を除きあまり気にする必要がないと思われる。
そもそも学位を取ろうとしている時点で、休日を含めて研究時間を十分にとる予定で考えている人が多いと思うので。

②入学試験について
私の大学の場合は、筆記の試験などはなく、口頭諮問のみであった。
また、コロナ禍ということもあり、ZOOMのようなアプリケーションを使ったリモート形式で行われた。

試験の流れとしては、
軽く自分の経歴に関して説明
→修士課程時代に国際学会にて発表に用いたPPTを用いてプレゼン
→博士過程の研究内容の方向性に関してざっくり説明
→質疑応答

といった感じであった。正直形式的にやった感が強かったが、学生時代に行った研究に関して、突然聞かれることは多いと思う。自分の査読論文、修士論文、学士論文、学会の発表資料一度目を通し、また、口頭諮問中に画面共有して見せられるよう、準備しておくといいと思う。

本日は以上です。見ていただいてありがとうございました。

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