😊甘ちゃん大家はケ・セラ・セラ🎈🎈

🍀人生、何とでもなるわよ！考えすぎないの！！
#賃貸経営 #大家 ＃リフォーム　 #投資 ＃人生　＃パートナーシップ
＃ビジネス　 #融資 ＃幸福

ある年の2月。私はタマタマwebで見つけた
古アパートを購入して自主管理の賃貸経営を始めた。かき集めれば
何とかなるだろう販売価格だったからだ。

退職金含め、全金融資産を投じての投資である。

ほとんどの方は大切な退職金でこんなバクチはしないだろう。
それなのにいとも簡単におもしろそう、との興味本位だけでスタートした。

現金無くても私は丈夫が取り柄、選り好みせず働けば生活に窮することは
ないだろうと楽観視し、結果、
なんとかなった❗️

プロなら言うだろう、不動産投資は東京山手線内側一択、と。
だがそんな麗沢な資金がある方は少数派ではないか。
それだって大災害が起きたらどうなるのか。空き家の急激な増加や
格安の新技術の造形物も賃貸業としては懸念材料。

結局は完全な投資先などはない。
先を見据え分散しておくのがいいとはわかっていても、私には分散するほど資金がないので、畑で芋でも作っているのが似合っている。

少ない貯金を銀行に置いていても数百円の利子ではインフレに対処でき
ない。かといって
株を運用するほど回る頭ではない。

あれから１３年。
ささやかな事業であっても、自分が主体で廻す業務はやりがいがある。
後悔は全くない。課題が出るたび真剣に取り組み
協力者も得て乗り越えてきた。
入居者を確保して投資資金も回収した。

当初は出来る修繕はなるべく自分でやった。

ヘルメットを装着しハシゴを登り、破れた外部の天井を補修する、
押し入れ床に補強の板をホームセンターでカットし打ち付ける、
照明器具を交換する、
ワックスをかける、
駐車場の車止めを設置し、白線を引く
伸び放題の樹木を伐採する、
家屋の内外の塗装をする、
等々。

入居者様からは、
”大家さんってなんでもするんですねぇ！”と。
集まってきた子供たちは私のペンキ顔を指差して笑う。
”そう、こうでもしないと、ちっとも儲からないのよ！”

”手伝いますか〜？"
と、様子を見に来た不動産会社のスタッフ。
”ありがとう！タダでやってくれるならね？これ以上は首が回らないの！”
彼は貧乏大家に同情したのか、山ほどの樹木をトラックで運びだして
くれた。
もちろん無料で。本当にありがたい。

今にして思えば沢山の人に支えられて順調にこれたのだと思う。

次の物件は人生初めて銀行から固定金利のフルローンを組んで購入した。

その金融機関でのビジネス部門でのローン審査通過率は２０％位。

これまでの経験、マネーフロー、ビジネスプラン、家族状況などが審議
される。
これまでの職業人として、家庭人としてのトータル評価を受けている気が
した。結果は幸いにも満額回答で、1%台の利子だった。

新たな投資は、新たな事業者達との出会いとなって資金が回っていった。
ささやかながら、こんな貢献もあるんだ、行動してよかったと感じた。

ローンを選んだのはインフレ対策。
本来なら半分以上、自己資金を投入した方がいいのだが、インフレが酷く
なる場合は例外と考えた。
私は何をするにも大雑把で、行動力は抜群。
思い立ったら即行動に移す。
それを止める人もいないのがいいのか、悪いのか。

だがどんな結果になろうともそれは自己責任。
O型だからなのか、失敗してもクヨクヨしない。
いつも元気で単純な人間である。
他人に迷惑をかけない範囲で楽しんでいる。

さて新米の大家時代には店子達の無理難題にも直面した。
自主運営なので管理は自分である。

家賃の滞納、軽いケガに伴う改築要求、他人の駐車場所への占有、
物盗られ妄想、病院までの送迎要求、奥側の土地を無断で畑にする、等々。

昨年の秋には一番のクレーマーだった男性が突然倒れ、救急車で
搬送された入院先で、数日後に亡くなった。

彼は当初はクレーマー、やがて困りごとの相談相手が欲しくて、夜に度々
電話が来るようになった。

妻が老人ホームに入居後は認知に問題が出て（”今月の家賃、払ったっけ？”の電話が10回）市役所に巡回を依頼していた。

保証人は友人だったので親族は妻以外いないものと思っていたが、
亡くなってみると近くに３人もの兄弟姉妹が住んでいるのがわかった。

お葬式の前日、妹さんから誘われて、近くのカフェでその辺の事情を伺った。

”大家さんから見ると３人も兄弟がいて、誰も関わりを持たないなんて、
薄情な家族と思われたでしょう。
でも兄には散々迷惑をかけられてきたんです。もう彼とは関わりたくない
のが私達の気持ちで。

若い頃は高校球児でプロの道も開けていたほどでしたが、ケガが元で夢が
消えました。そこからやぶれかぶれの人生になったんです。

両親から一番可愛がられて、甘やかされてわがまま放題だったのも、残念な男になった一因だと思います。

そんなどうしようもない彼にも還暦過ぎてから、初めて奥さんが出来て、
ようやくマシな男になりました。

足の不自由な彼女を世話することが兄の生きがいだったんです。
でもとうとう奥さんを施設に預けることになってそれを失ってしまって、、。

実は一人暮らしになった兄を最近何度か訪ねていたんです。
寂しがり屋な電話魔なんで、大家さんにもご迷惑をおかけしたんじゃ
ないですか❓申し訳ありませんでした！”

その人は佐藤さんといった。確かに当初は厄介な入居者ではあったが、
おかげで大家としての経験値を上げることができた。
入居者の中でもっとも私とコミュニケーションを取った人でもある。
アパートの住人や設備に何かあった際には代表して連絡をくれたものだ。

たまに彼が奥様と、仲良く連れ立って出かける姿を懐かしく思い出す。

よかったね、佐藤さん、人生の終盤でパートナーと巡り会えて、楽しめて。

最後は苦しむことなくこの世を去った。
プロ野球選手の夢は破れても最後良ければすべて良し、としなきゃ。

そうでしょ❓