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少女的に

また1つ歳をとった。どうやら次は大人になるらしい。
朝はお紅茶を舌で転がし、商店街で花を買う。映画を観て、夕暮れを歩き、ベンチで本を読む。暖かい部屋で音楽と踊る。それで在りたかった。全部願望で、ただ毎日目が覚めて外部の力に頼り起き上がって、バイトをして精一杯。衝動も熱も冷めてしまったのかな、分からないけれど。ひとりじゃ眠ることすらままならない。頓服を飲んで、祈るように眠りについて、すぐに目覚めて。その繰り返し、脳はいつだってショートしている。私は何になるのだろう、大人になれるのだろうか。
あれだけ生き急いだのに、いざ大人を目の前にするとそれが怖くて仕方ない。気持ちばかりで身体はいつだって動きたがらないから、もうダメなのかも。それは甘いか。今日も良い詩が書けなかった。今日もパソコンを開けなかった、今日も鍵盤を押せなかった、今日も、今日も、今日も、その積み重ねで1年が終わる。
甘美でたおやかな少女時代が欲しかった。あなたにとって、そんな少女で在りたかった。上手く生きれなくてごめんね。彼は私にこの世の真理を全て知っていそう、なんて言うけれど私もまだ分からないよ、少女なので!

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