煩悩(16)SNSのバカヤロウ!
私はカキが大好きです。貝の方です。
しかし、大好物を食べながら「これ、最初に食べようと思った奴は変態的に空腹だったんだろうな」と思います。私だったら、絶対に食べたくありません。あんな気持ち悪いもの(注・大好物)。
そう思うと「初めて〇〇した人」というのは、よほどの勇気を持った人だったのだろうと思います。自分がどうなるのか、ソイツがどうなるのか、何もわからない状態は非常に恐ろしいものです。
さて、ここに「SNS」というものがあります。
最初のSNSが何か、どういったルーツなのか、誰がつくったのかは諸説ありますが、とても偉大な発明だと思います。
顔を合わせないコミュニケーションは、まさに画期的でした。メールなどもその類に入りますが、電話のようなレスポンスの速さ、まるでそこにいるかのような空気感はある種ダイナマイト級のインパクトです。
そして「SNS」は、怪物となっていくのです。
いつでも5年目の彼氏とつながっているという「ハリボテの安心感」は、かえって彼の存在を自分から遠ざけることになってしまいました。
それは、彼の「面と向かって言えよ」という言葉に集約されています。ケンカ中の彼の一言です。たしか、一方的に私がキレながら、くだらないことに文句を言っていたと思います。
直接あっている時はニコニコしているのに、LINE上では文句ばかり言う女。たぶん、めちゃくちゃブスな女だったと思います。
いや、まじで、ごめんなさい。
なぜあんな怪物と手を組んでしまったんだろう。恥ずかしがらずに好きな人と自然なコミュニケーションを取れる嬉しさを手に入れたと同時に、私は悪魔に心臓を売りとばしていたようです。
私の心臓はSNSに飲みこまれ、彼への誠実さを失いました。
お気づきかもしれませんが、これは全面的に私が悪いのであってSNSに罪はありません。完全な責任転嫁です。
次に誰かとお付き合いする時にはSNSの用法・用量をきちんと守りたいと思いますし、ぜひ気をつけてもらいたいと考えています。
さらに皮肉なことに、SNSへの八つ当たりを、TwitterというSNSに公開するわけです。この時点で、私はもうイバラの中にいることになりますね。
SNSの呪いは本物だ……私を信じろ……シリキウトゥ、SNSの眼が、眼がぁっ……!