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ポートレイトレクチャー「26.笑顔を撮るためにあえて笑顔を封印する」

モデルポートレイトを撮る人の一定数は「笑顔を撮りたい」と思うようです。
モデルさんも場数を踏んでいますから、「笑顔で!」と言われれば笑顔を作ってくれます。
でも、その作られた笑顔を撮れば満足できるのでしょうか?

「笑顔を撮りたい」と思うカメラマンの意図は二つあるように思います。

一つは、笑顔の方が写真として明るく楽しそうに見えるから。
確かに、明るいポートレイトを撮ろうとするならやはり不機嫌そうな表情よりは笑顔の方がいいように思います。
多くの人が笑顔を撮ろうとする理由はこれではないでしょうか。

もう一つは、自分だけでなくモデルさんにも楽しくなってもらいたいという願望。
もしかするとカメラ越しとはいえ、不機嫌そうな表情のモデルさんを見ると、撮影が上手く進んでいなくて本当に不機嫌になってしまっているのではと不安になるのかもしれません(想像ですが)。
それとも、後日写真を見返したときに、「楽しかったなあ」「笑顔が可愛かったなあ」と思いたいのかもしれません(これも想像ですが)。

なぜ、想像ばかりなのかといえば、私自身は笑顔を撮ろうとすることがほとんどないからなのです。

なぜあまり笑顔を撮ろうとしないのかといえば、作られた笑顔の写真に魅力を感じないからです。
ですので、「笑顔で!」と指示することはありません。

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