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【取材記事】施設長として大切にしている3つの要素とは?

あつし@ドッジボール大好きお兄さんをご存知だろうか?

名前の通り、好きなことはドッジボール。児童館の施設長として働く傍ら、SNSやオフラインイベントの“保育者応援プロジェクト”を通して多くの人に熱量や保育の楽しさを撒き散らす熱い男だ。

出会いはTwitter。ひょんなことから“スペースでお話しましょう”という流れになり、あまり絡んだことのない状態で声の共演を果たした。

その時から感じていたのは、私には持っていない人間としての魅力だ。とにかくキャパが広い。色んな人に言葉を掛け、励まし、支える。それも中途半端ではなく、一人ひとりに手を差し伸べ続けるのだ。なぜそこまで人に熱量を向け続けられるのだろう。私はそんなアツシさんの人間性にとても興味を持った。

今回はそんなアツシさんをTwitterのスペースで公開取材した内容を記事にした。読んだ人の心に熱を灯す内容となっていること間違いない。ぜひ、多くの人に読んでもらいたい。


アツシさんの経歴

アツシさんが児童館の仕事と出逢ったのは20歳の時。児童館や学童クラブのボランティアに行ったことがきっかけとなる。

その後23歳から学童でアルバイトをし、その時にお世話になった社会福祉法人に大学を卒業してすぐに就職、そこで2年間勤務をしたのが最初の経験だ。

その後、持病の治療と仕事を両立するために転職。次の場所は児童館型学童クラブを委託で運営してる株式会社だ。そこで、児童館の部門のリーダーを9年、学童クラブと広場の複合施設で施設長を4年ほど経験し、勤続年数は15年だったという。

「でも、やっぱり自分はまず館長になりたかったんですよね。児童館の館長。」そう言いながら、今年の3月から今の職場に転職した理由を話してくれた。

「児童館の館長をやりたいと数年前からずっと言っていたんです。それがなかなか叶わなくて、あと2・3年は会社的に無理かなと考えた時に、このままのペースじゃ遅い!と思い転職に踏み切りました。」
自分の夢のための転職。ポジティブを撒き散らすアツシさんらしい理由だなと聴きながらワクワクしてきた。

施設長として大切にしている3つの要素

私が今回の取材で一番聴きたかったこと。
それは、アツシさんが毎朝行っている、笑いと学びがあふれる15分間のTwitterスペースで言っていた“リーダーに必要だと思う3つの要素”についてだ。

アツシさんは自分の意見や思いを否定的に感じている人にさえ、手を差し伸べる懐の深さを兼ね揃えている。なぜそこまで大勢の人に心を寄せることができるのだろう。私はその部分をどうしても深堀したいと思っていた。
そのことを熱心に伝えると、「凄く嬉しいな、と思います。SNS上でどう見られているか自分では分かっていないから。そういう風に見えているということは、自分が誠心誠意向き合ってきたことは伝わってたんだな、と嬉しく思います。」と照れながら答えてくれた。

①キャパシティ:広げるコツはプライベートの自分から変えること

「一番意識してるのは、傾聴、決断力、キャパシティ。3つあるんですけど、どれも、“仕事だから”とはあまり考えていないんです。今褒めたらこの人が伸びるかもしれないから褒めよう、とか。なんかそういう打算みたいなのが入ってるのが自分に嘘付いてる気がして、凄く苦手なんですよね。

その苦手のまま言葉に出しちゃうと、結局相手に自分の想いが100%伝わらない。じゃあ、どうしたらいいかと考えた時に、“日常から出来るようになったらいいじゃん!”と思ったんです。

具体的に言うと、人の良いところを見付けたり、認めたり、言われたことに対してポジティブに考えたり。ちょっと俯瞰して、“この人ってどうしてこういうことを言っているのかな”、と色んなことを1回考えて、受け止めて、想いを汲んで返すというように、プライベートから意識してやってるので、キャパは広くなっていったのかなと思っています。だから日常から自分を変えていくってことですかね。」

仕事での自分の言動が嘘にならないように、日常の自分から変える。その発想は自分には無く、相当な覚悟があったのだろうと感じた。

「もう、かなり苦しかったです。 当時は無茶苦茶なことを言ってくるスタッフもいたので。絶対に悪口は言わないって決めたけど、最初は表情だったり、言葉の強さだったり、若干は態度に出ていたかもしれないです。
でも、それも日常から気を付けていくことで、無理なくできるようになるんだろうなと思ったので、プライベートでも言葉に気を付けたり、相手に矢印を向けて考えていこうって考えるようになったら、随分楽になってきました。」

 仕事だけではなく、プライベートから自分を変えていく。それは自分の心が楽になることにつながり、キャパも自分の世界も広がっていく。簡単ではないが、ストイックなアツシさんにはビシッと合っていたやり方なのだろう。

イラッとした時は“心を整える”

「人から腹が立つことを言われた場合は、イラっとはするけど前提で相手を攻撃しないモードにすぐ切り替えるようにします。

その人の言ってることが自分の中で足りない、もしくは知らないことかもしれない、と自分の中で分析します。足りなければ『面白い意見だと思うので、参考にしてみます。』と返すし、それが明らかに悪意を持って言ってきた場合に関しては、『自分はこう思ってるので、ここに関してはどう思いますか。』と、攻撃ではなく問いかけをするようにしています。

やっぱり大事なのは言葉のチョイスだと思っていて。『ふざけんな、何言ってんだよ。そんなこと言われる筋合いねえよ。』って言ったら喧嘩になるんだけど、『私はこう思うんですけど、どうお考えですか。』と、言葉を選ぶようにはしています。自分の心が整うので。」

『心が整う』素敵な言葉だと感じた。腹が立っても感情に支配されず、言葉を選ぶ。それが、篤さん流の心の整え方だ。

「これも日常に繋がるんですよ。日常から言葉をしっかり選んで喋っていれば、そういう時にも出やすくなるんですよ。」
人間、咄嗟のときには普段の言葉遣いや思考がそのまま出てしまうもの。だからこそ、日常から自分を変えていくことが大切なのだ。

②傾聴:しっかりと耳を傾けるからこそ、想いが伝わる

「2つ目は傾聴です。人の話にしっかりと耳を傾けることで、 本心から答えることができる。そして、相手にも自分の想いが響きやすくなると思っています。

しっかり相手に耳を傾けてるからこそ、“自分はこう思ってるんだよ。”という想いや、言葉が伝わると私は思うのです。表面上の言葉だけじゃなくて、本当は何を言いたいのかという所までしっかり考えたり、どうしてそういう経緯になったのか、までも想像したり。相手の想いを想像することで、掛けられる言葉のチョイスが変わると思うので。そうやって傾聴として意識していくうちに形になった感じですね。」

傾聴し、相手の想いを想像することで、掛けられる言葉のチョイスが変わってくる。本当にその通りだと感じた。アツシさんは決して相手の話しを遮って自分の意見や想いを伝えることはしない。それが人を惹きつける魅力の一つなのだと話しを聴いていて確信した。

③決断力:ブレずに決める、想いを伝え続ける

「3つ目は決断力です。みんなの良いところや、みんながやりたいっていうことは全部聴きます。でも、みんなが「左がいいです。」と言っても「いや、右の方が絶対楽しいから。」と言って、右を決めなきゃいけない時もある。

その決断力って、時に自信が持てなかったりもするし、みんなの「なんだよ、左って言ってるのに。」という空気を感じたりもするのだけれど、そんな中でも右を決める覚悟が大事だと思っています。

ただビシッとこれがいい。って頭ごなしに決めるってのが決断力ではなく、 根拠をきちんと説明して、『右が楽しいよ』ってことをいかに懇切丁寧に細かく、動きや配慮で伝えられるかが大事かなと思っています。
最初から納得してもらわなくてもいいんです、進みながら納得してもらう。『右を選んだのはこういうことだったんですね。』って、もう最後の最後に気づいてもらってもいいと思ってるんです。」

決断するうえでの覚悟

「でも、決断する時、絶対に悩むことはあるじゃないですか。“本当にこれでいいのかな”って思うこと、めっちゃあるじゃないですか。いかにそこで奮い立たせられるかっていうのが、“覚悟”だと思うんですよ。

悩んだ時に、“やっぱりみんなの言うことの方がいいのかなあ”と迷って曲げない。落ちかけてもぐっと踏みとどまるのが、決断する上での覚悟として大事な部分かな、と私は思っています。」

リーダーは常に決断を迫られる。周りの人たちの意見を聴いても、最後に決めるのは自分しかいない。そこでリーダーが優柔不断な態度を見せてしまうと職員は不安になるし、迷ってしまう。そうならないためには、決断力や説得力、覚悟が必要なのだろう。改めて身が引き締まる想いがした。

答えが出るまでには時間がかかる

「自分の想いを伝え続けてきたら、『アツシさんが言ってたことってこういうことなんですね。』って、前の園でも辞める直前に言ってもらえたこともありました。『最後の1週間は、アツシさんのミーティングの一言一句を聞き逃さない気持ちで聴いてました。』と言ってもらったこともありました。
汲み取ってくれる職員が増えてきたのはやっぱり凄く嬉しいなと思うし、それは時間がかかるものなんだな、と改めて思ったりはしますね。」

“答えが出るまでには時間がかかる”その言葉に深く共感した。「たまに諦めちゃいそうになりますもん。」と私がポロっと口に出すとアツシさんも共感してくれた。

「いやあ、本当ですよ。たまにサブ(二番手の職員)に、『こっちって言ったけど、 どうなのかな。』って聴いちゃったりすることもあって。サブは割と私のことを良くわかってくれていたので、『アツシさんなら、それで大丈夫ですから。』って、結構さくっと言ってくれたりするんですよ。それを聴きたくて言っちゃう自分も良くないな、とは思うんだけど。
でも やっぱりそういう風に言ってくれる二番手がいるのはすごく有り難いし、感謝しかないです。」

施設長は時に孤独。ポロっと弱音を吐きたくなる気持ちは痛いほど分かる、と首がもげる程頷きながら話しを聴く私。その孤独を支えてくれる主任には私も感謝しかない。

楽しいことに目を向けて、みんなに幸せになってほしい

最後に、記事を読んでくれる人たちに向けて伝えたいことを聞いてみた。

「生きていたら大変なことはいっぱいあるけれど、 毎日1つでもちょっと笑える楽しいことをまずは探していきませんか?っていつも思います。
SNSでネガティブな発言とかいっぱい見るんですけど、あなたが今生きてる中で、それだけが全てじゃないよね。きっとその裏に楽しいことも絶対あるよねって思うと、楽しいことに目を向ける方が自分も周りも幸せになるんじゃない?って思うんです。

ネガティブなことを口に出していいけど、楽しかったことも同じだけ、吹き出してほしい。吹き出していけたらみんな幸せになるんじゃないかなと思うから。 だから自分も、なるべくみんなに矢印を向けて楽しいことを発信していこうって意識しています。そういう人が増えていけば、きっと子どもと関わる人たちがみんな幸せになるんじゃないかなって思うんです。すごい抽象的ですけどね。」

そう笑いながら話すアツシさん。アツシさんの話しはいつだって明るくて前向きで楽しい。一緒にいるだけでワクワクさせてくれる。そこが沢山の人を惹きつけるアツシさんの魅力なのだ。

実際、アツシさんのスペースをきっかけとしてやってみる人が出てきたり、何かに挑戦する勇気をもらった人、生活習慣を変えるきっかけとなった人がいる。かくいう私も、自分の夢のために取材し、記事を書かせてもらった。

そうやって撒き散らした熱量が人から人へ伝染していく様は、見ていてとても気持ちがいい。そして気付いたら自分もその熱量の中に加わっているのだ。

近年の保育業界は“虐待”、“労働環境の問題”、“低賃金”など、まだまだ暗い話しが多い。だからこそ、アツシさんの燃える熱量は、保育業界を照らす明かりになると私は強く信じている。私も、私にできることで保育業界を盛り上げていきたい。

文字数の関係で書ききれなかった内容は後日、また記事にします。どうぞ、お楽しみに♬

アツシさんへの応援コメント、ぜひぜひお待ちしています。


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