長編ドキュメンタリ―映画『ひめゆり』(2007年・柴田昌平監督)を観て、生まれた歌。
ゆめのたね ついに、本物のラジオ番組を始めた。 インターネットラジオ「ゆめのたね放送局」のパーソナリティーとして、毎週木曜日の朝6時から30分間の放送枠を担当している。もう一度一年生になった気持ち。 番組名は『はなうた ちぴぴ』。聞いている人の耳にしのびこみ、その日のはなうたに交ぜてほしいなー、という気持ちがあって、こんな名前になった。 どんな大変な時でも、呼吸を静かにして心にちいさな歌をもっていたい、そんな自分の願いでもある。 朝いちばんの放送。収録は前もってす
『コガーナ・コマーン』とは、「こんなにちいさなもの」という意味の島ことばです。広島の瀬戸内の島に残る古いことば、方言に託して、ふるさとからの思いを歌います。「ねきへきんさい」は「そばにおいで」。
雨の季節、夏至の前に生まれた歌です。
静かな心、マインドフルネス私はひたすら私になりたい。でも、その「私」って? 「歌うちぴぴ」をどうやって日常の中で確保するか。それが近年の課題だった。 もちろん、毎日家事をしながら歌ってていいはず。…でも発表の場もほしい。 定期的に発信?計画的な行動が苦手な私、すぐに仕事や別の用事に時間を向けてしまう私がいる。 そもそも、どこかで、歌うことを「怠惰」や「逃避」のように見做している自分があって、歌いたい自分を責めている。 歌は私の人生に必要なセルフケアだと知っているはずなのに
セルフパートナーねぇ、ママ。セルフパートナーって知ってる?独身の人気女優さんが、恋人は?とインタビューで聞かれて「私はセルフパートナーです」と言ったんだって。すごくいいなと思った。 へぇ、セルフパートナーって言葉があるの、初めて聞いたわー。自分は自分のいちばんのパートナーになれるってことか!素敵だね!ありがとう、教えてくれて。 恋人がいてもいなくても大事だと思う。自分を大切にして、相手も大切にしたかったら。 お互い、相手のセルフパートナーを邪魔しないって考えたら、わかり
ゆるめる うたを作るってどんな感じ?どうやるの?って時々聞かれることがある。 わたしの場合は、作り出す、というよりゆるめたら出てくる、という感じ。 ウキウキしたときやリラックスしたときに、ついはなうたがでてきちゃうことは誰しも経験したことがあるんじゃないかな。 誰でも、体のなかに流れているリズムやメロディーがきっとあるんだと思う。ゆるまれば、それが自然とこぼれてくるんじゃないか。 ちぴぴはそんなはなうたの延長で、どこか聞いたことのあるようなくせになるようなメロディー
認知症の母がくれたギフト 実母を自宅で介護している。認知症と診断されてから十年になり、現在、介護度としては最も重い5段階になっている。衣食住生活のすべてに介助が必要な状況だ。 優しくて知的で努力家だった母。もともと控えめな性格だったが、認知症になっていても荒ぶることはなく、娘の私に対しても「ごめんね。赤ちゃんみたいになっちゃったわ」「ありがとう」と穏やかな笑顔をくれていた。 そんな優しい母に対してでさえ、介護しながらわたしはあらゆる感情を経験した。愛しい気持ち、悲しい気
助けてもらい上手 クリスマスの天使たち なにごとにも立ち止まって悩んでしまう癖があり、なかなか行動にうつせない。そんなときにも、「ちぴぴ」は少し役に立つようだ。 とりあえず歌ってみる。そのままの自分を。 助けてほしい、困っている、と友達に伝える。迷っている、わからない、と正直にさらけ出してみる。 相手からもらったことばのなかに、ヒントが見つかるかもしれないし、パンチをくらって自分の気持ちに気がつくこともある。 自分で自分のことがよくわからない、そんなときでも、自分
乞われるままに 今日という日が特別なのは、今日にしかない歌の交流があるから。 聞いてくれる人がいてもいなくても、気がつけば毎日わたしはちぴぴを口ずさんでいる。 『亡夫恋』をこの方にお届けしたいと、今日はほんの少しのお時間をいただいた。そのご婦人はそっと涙をぬぐいながら、お話してくださった。「ほんとうに愚痴の無い人でした・・・」 ちぴぴソングがなんのためにあるかなんて、わたしにはわからない。たくさんの音がやってきては去っていく。それをひととき一緒に味わってくださる方が
誰にでも はなうたはある 今日のキセキは朝の空にたなびく雲の波。遠くまで届く手紙のように、いく筋も伸びて、空色のページを埋めつくしていた。 深呼吸して歩けば、ふふふ・・・と、はなうたが湧いていた。 はなうたは、もうほとんどの言葉を隠してしまった認知症の母にも、失われずに生きている。 枕元でわたしと父が「ふるさと」を歌えば、瞳をくるんと動かす。わたしが幼い頃、家族でよく歌ったイカロスのうた・・・「勇気ひとつをともにして」大声で歌うと、寝たままの母は「ふふ・・・」と
ちぴぴと出会ってから、毎日はミラクルになった。 ちぴぴは、だれもいない夜にひっそりと生まれた。そう、ちょうどこの季節・・・クリスマス前のこと。 うなりはじめ、うめきだし、やがておぼつかないメロディーがちいさな歌になったとき、私のなかで眠っていた誰かが目を覚ましたようだった。 「こんばんは。ちぴぴです」 つまりそんなふうにちぴぴは生まれた。わたしの中から、うたうものとして。なつかしい顔をしたいたずらっ子みたいに。 わたしはその歌たちを、ちぴぴのおしゃべりとと