3日間社内でタイムループしたら、王子様に出会った。
以前、島田さんのこの記事を読んで、わたしも絶対タイムループしよう!!
と決めて、ワクワクしていた。
しかしなかなか仕事の都合がつかず、同じお店に同じ時間に現れる✖️3日間が出来ない。
どこに行こうかなぁ、と思いを巡らせるのは楽しいけれど、早々に実行出来ないのが残念だ。
そうこうしてるうちに、3日間限定の荷物発送の仕事が舞い降りてきた。
およ?
これはチャンスなんじゃないか?
社内のいつも行かない部署に3日間タイムループしてみよう!
荷物の発送は17時まで。
ギリギリになるとまずいので、わたしは毎日ぴったり15時に、庶務課に行くことにした。
1日目。大量の荷物と共に参上!すぐにわたしを見つけてくれた王子様。
満を持して出掛ける。
台車に箱いっぱいの郵送物をのせて。
同じ会社だけど、わたしのいる部署は3階、発送手続きをするのは7階だ。
ドキドキしながら足を踏み入れる。
だってこんなに大量の荷物の郵送手続き、初めてなんだもの。
やり方が1mmもわからない。
目がぎょろぎょろ動いていたわたしを見て、庶務課の田中さん(仮)が声をかけてくれた。
郵送手続きですか?
ハイ!!!
ここが学校なら先生に褒められるくらい元気に返事をした。
田中さんは流れるように機械の使い方を教えてくれ、手続きを手伝ってくれた。
必要な手続きを終えて、台車で大量の荷物を郵便局に運ぶわたしをエレベーターまで送り、エレベーターのドアを押さえて滞りなく乗り込めるようにしてくれた。
なんて紳士でイケメンなんだろう…。
2日目。あれ?どこの部署にデータを紐付けるんだっけ?そっと受話器を差し出す王子様。
2日目は1日目とは違い、普通郵便の封筒をたくさん持って15時に7階に上がった。
すぐに田中さんはわたしを見つけてくれる。
あれ、はなうたさん今日も郵便物あるの?
なんと…
覚えててくれた…。
小さなことに感動しながら、昨日とは違う手続きを進めていると、困った!
郵便物を送るときに、どの部署から送るのかをデータで残すのだけれど、どこに紐付けるのかがわからない!
一度戻って課長に聞いてくるか?出直すか…
と思っていると、
課長さんに電話しなー。
と、なんと田中さんは自分の電話の受話器をわたしに手渡し課長の内線番号を押してくれた。
…なんというホスピタリティ…!
神なのでは…。
そうして、わたしは2日目も無事に郵送物を発送することができたのだ。
キュン!
最終日。いちごの飴ちゃんと王子様。
いよいよ今日が最終日。
今日も複雑な手続きをしなければいけない。
「た、田中さーん!!」
最初からヘルプをだすわたし。
はいはい、と田中さんが出てきてくれた。
事情を説明して、また手続きをはじめる。
毎回やり方が違うので、全然覚えられない上に量が多い。
そして失敗したらやばい。汗をかきかき業務を進めた。
おつかれさま〜!
おやつの時間だから、これをあげよう。
と、おまけの飴までくれた!!
うれしい。
お昼を食べ損ねていたのを知っていたのか!?
お腹がすきすぎていて、写真を撮る前に食べてしまった。
田中さんに大きな声でお礼をいって、自分のデスクに戻る。
ホッと一息。
3日間の、いつもとは違う業務を終えて安堵した。
田中さんは、推定65歳の、こぶとりじいさんに出てくるようなやさしいおじいさんだ。
手続きをしながら話していたら、わたしが配属されるよりもはるか昔に、わたしと同じ部署でずっと働いていたことが発覚した!
なんと!先輩だったのだ!!
それと同時に、田中さんみたいな人が居てくれるから気持ちよく仕事が出来るんだなぁとしみじみ思った。
困ってると、サササッと気付いて出てきてくれて、わたしのやりたいことを察知してくれて、スムーズに手続きができるようにサポートしてくれる。
やり方がわからない!失敗したらやばい!と心細くなっていても、田中さんがいるだけで大丈夫な気がする。
本当、王子様に見えた。
会社って、ついつい自分のことにいっぱいいっぱいになりがちだ。
気を抜くと作業になってしまっまり、面倒だと思ってしまったりして、殺伐とした空気が流れるのはよくあることだ。
誰だってそうだもの。
だけど、目の前の人を大事にして、ちゃんとコミュニケーションとるということは、
こんなにも清々しい気分にしてくれるんだなぁ。
わたしも、そんな風に働きたいな。と思った昼下がりだった。