歩く歩く歩く
どこまでも
それが道であろうとなかろうと
人様の家の軒下であろうと
罵声が聞こえ、泣き声が聞こえ
笑い声も聞こえ、
優しい囁きも聞こえ
人の存在は出口の見えるトンネル
ひとけの無い窓は底なし沼
静かに いっぽ いっぽ
足をおとす
見慣れない景色
住み慣れた町はとうに過ぎ
そう高くはない丘の上で
キリギリスが鳴く
セピア色の記憶
大人達は話していた
「あの頃はよかった」と
戻ることはできない
今を受け入れることしか できない
歩こう歩こう 後戻りはしない
歩こう歩こう
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