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今年も夏が去りましたね

あっという間の8月。今年はハイネの逝く夏を諳んじる間もなく消えた。

勤怠を振り返ったら7月20日あたりから徐々に残業が増え始め、8月の残業時間は23時間になっていた。うち8月頭2週間は昼休みを取っていないので、実質30時間越えである。今日は休出の振替で失われた盆休みの半日をようやっと取ろうとしていたのに、結局1時間半残業になった。この文章は食べ損ねた昼食の代わりに近所のカフェでパンケーキを食べる、提供待ちのその合間に打ち始めたもの。はー、お腹空いた。今月はずっとこの調子。

これまでの職場の人たちがこの話を聞いたら驚くだろうなと思う。私は本当に残業というものが嫌いで、憎んですらいて、絶対に残業しないと豪語して労働をしてきたから。実際には全くゼロなんてことはなかったけれど、でも本当に、残っても精々1年で3時間くらいだったので、つまり10倍以上なわけで、自分でも引いてしまう。しかも給与に見込残業40時間が含まれているため、1銭の得もなく、これはただただ自分の時給を下げているだけという。これを最悪と言わずしてなんと言おうか。

転職かあ。転職……。そんな言葉を舌先で転がして、またスマホ片手に気絶するように寝る夜を思う。金原ひとみの短編に、生活に疲弊しすぎてパズルゲームをすることとストロング缶を飲むことしかできなくなっていく女の話があったけれど、ただただ無心でツムツムばかりやっている自分をそれに重ねたりなどしつつ。

話は変わるが、PCの調子が極悪すぎてiPadで文筆をしたいと考えて早3ヶ月。ようやく重い腰を上げてatokをベーシックからプレミアムに替えたのに、外付けキーボードを使用すると問答無用でiPad IMEに切り替わることを知ったこの絶望感といったら……! PCに親しみ始めたときからatokで書いてきたから、IME変換ゴミすぎて、atokなしで書き続けるの本当に無理すぎる。仕方がないので、外付けの使用を止め、画面の半分以上を占拠するキーボードを表示しそれで打ち込んでいる。入力のストレスはないものの肩が内側に入りすぎて姿勢がつらく、これは長くは続けられないだろうな……。どうする……。PCの初期化を試みたほうがいいのかもしれない。

打ちづらいのでやっぱりPCに切り替え。9月の3連休で初期化を試みたい。いまはGoogleアカウントが全部覚えていてくれるのでセットアップは大変じゃないんだけど、データがそこそこあるのでそれを移動させる手間が億劫。

弟に社畜呼ばわりされた夏、何か残しておくべきことはあったかな。7月に金沢行ったあとは本当に仕事一辺倒で……そういえば、安田生命のフォトコンで入賞したらしく賞状と記念品が送られてきました。佳作。いや別にたいしたことね~だろ、みんなもらえるんだろうなと封を開けたときは思ったのだけど、よくよく開催ページを見たら10万点の応募があったようなのでまあまあだったのかもしれない。モデルが最高にかわいいから仕方ないですわ。

ああ、あと米津のアルバムを結局三形態全て購入した。地元に来るなら是が非でも行きたいので神様頼む。まあでも何で一年で一番大雪に降られて交通網が死ぬ時期に新潟市へ来るのかはよく理解できない、真冬の朱鷺メッセはクソ寒いので覚悟しろ。全体的に満足度の高いアルバムで、私は治安の悪い米津玄師のほうが好きなのでオープニングトラックのRED OUTから超イイ感じなのであるが、一方でやっぱり愛憎が爆発してしまい、残業帰りの暗い道路を運転しながら「なんだこいつほんとうに心底むかつく」って気持ちが込み上げて音量爆上げした米津の渦中ですごく泣いた。日記より小説が書きたい。小説を書きたい。小説を書け。

そうだ、今月は、ホテルのバーで一人でアフタヌーンティーを食べた。父が救急搬送されたり弟がめずらしく熱を出したりでバタバタした翌日、仕事の疲労も相俟って行くか行くまいかすごく悩んだのだけど、空に近いフロア、夕日が射す窓辺、私以外にはサービススタッフが一人、という空間が新体験すぎて、琴線に触れるものがあった。食べ終わった後で実家に向かうときにもこの不思議な感覚、大袈裟に言うならちょっと異世界にトリップしたような、体験の前後で世界の見え方が変わったようなそんな感じが付き纏い、これは貴重な経験だったとしみじみしたのだった。そしてこの日が私にとって、今年の夏の終わりだった。夏が終わる、私はゆく、あなたを振り返らず、森はまた一つ枯れてゆく。


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