持てるならば健やかな怒りを
ふっ、と目が覚めてスマホに目をやると朝の5時だった。窓の外はまだ真っ暗で、もったりとしたぬくもりを宿す毛布に顔を埋めて画面をタップする。すると覚えのないメモ帳が開いており「正しい怒りを忘れない」という一文があるではないか。実におだやかでない文言である。
何かの神託や霊言ならかっこいいが、おそらく自分で音声入力したものだろう。私はたまに夢のなかで仕事をしているらしい。そのなかで忘れていた〆切を思い出し、がばりと起き出してはPCをひらいたり、スマホにアイデアを音声入力していたり