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父の写真展を終えて

鼻谷幸太郎モノクロ写真展 「あんた、また来たんか? ~昭和の漁民を訪ねて」。

昨日をもって終了し、今日、撤収作業をしてきた。

会期中にお会いした方、記帳をしてくれた方、途中から用意した投稿箱に感想を寄せてくれた方、何度も来てくれた方、たくさんの反応を受け止めた。自分としてもうれしく、父にこまめに伝えた。

父は父で、近所の人や昔の写真仲間、職場の人から電話をもらったりして、予想を超えた手応えを感じていたよう。開始してすぐに新聞に取り上げられたのが大きかったみたいだ。

会場となった鳥羽市立海の博物館(海博)ギャラリーでは、14日(土)から、竹内敏信さんの追悼写真展「日本の海」が始まる。風景写真の第一人者と呼ばれ昨年、惜しくも亡くなったが、海博は生前、ともに環境保護の発信をしていた関係で一部のプリントを管理しているそうだ。

次の展示への額の入れ替えも、手伝わせてもらった。おかげで竹内さんの作品を手に取り、間近で見ることができた。

父の写真とはうって変わって、フレームの中に人影が一切、ない。海と空がそのものが主役で、流氷や岩礁のうえに小さな命がある。

30年前の、中判か大判カメラで撮られたフィルム写真。モノクロからカラーにすっかり変わったが、展示を見回して「すごい」とつぶやいていた。

そういえば、父は若い頃、会社の山岳部の写真係としてカメラを始めたのだった。実家にあるアイゼンなどの山道具を見ると、雪山の登山や岩登りも相当、やっていたみたいだ。

それだけに、重たい機材を抱えて風景を探して歩き、セッティングした場所で決定的なシャッターチャンスを待つ忍耐や、説明されても絶対にわからないことを、感じていたのだろうなと思う。

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