リモートでもできた!「ドラッカー風エクササイズ」をやってみた
どうも、伊藤です。
先日、弊社の仕事始めの日にチームビルディングの一環として「ドラッカー風エクササイズ」というものに挑戦してみまして、せっかくなので実践に至るまでの経緯や、実際にやってみた感想などを今回はnoteに書いてみたいと思います。
ドラッカー風エクササイズとは
まず、ドラッカー風エクササイズって何やねんっていうところからのスタートとなりますが、色々調べて見たところ往々にして下記のような冒頭から説明が始まります。
ドラッカー風エクササイズとは、アジャイルサムライの著者であるJonathan Rasmusson氏が書籍やブログで紹介しているチームビルディングの手法
おっと、知らないワードの説明に知らない固有名詞を投下してくるとは、なかなかの度胸だ。(IT系企業やスタートアップが好きそう)
ここは一旦深呼吸をして、落ち着いて続きを読み解いてみると、なにやら「チームメンバーの相互理解の促進や期待のすりあわせができるレクリエーション」と補足されています。
そう、このレクリエーションでは、あらかじめ用意した共通の4つの質問に対して、それぞれの回答を共有することで、お互いの考えや価値観、期待のすり合わせを行うことができるとのこと。
具体的な実践方法については後述するとして、まず弊社が実施に至った経緯に触れていきたいと思います。
実施までの経緯
ドラッカー風エクササイズについてさらに調べていると、どうやらチーム(弊社の規模を鑑みて、この文脈では「チーム=全社員」と定義)の形成段階によっては絶大な効果が得られるとのこと。
折りしも弊社は下図のタックマンモデル(組織の進化行程)でいうところの「形成期」と「混乱期」の過渡期に位置づくと考えれたため、まさに今が絶好のタイミング。
考えてみれば、弊社のチーム内で生まれていた問題や摩擦の大半も、メンバーの相互理解や期待の擦り合わせが不足していることが原因なのではと気づき始めたころには、もう準備を始めていました。行動、行動。
なお、開催日がお正月明けの仕事初めの日だったのは、「連休明けでいきなり業務に取り掛かっても作業効率が上がりにくいだろう」(つまり正月ボケ解消)という理由と、ちょうどこの日が新メンバーの初出社の日だったという理由からでした。
当日までの準備
準備したものはたった3つ。
- 説明用のスライド
- ホワイトボード(Jamboard)
- 開催場所(リモート環境)
上記について、1つずつ説明していきましょう。
■説明用のスライド
当然ですが、メンバーにいきなり「ドラッカー風エクササイズをやるよ」と呼びかけてもピンとこないと思い、実施前に簡単に概要や実践方法を説明するためのスライドを用意しました。
スライドを事前に共有して、実施前に各自確認してもらう形でもよかったのですが、せっかくのチームビルディングのための取り組みなので、「新しい体験をリアルタイムで共有する」というねらいもあって、あえて当日僕の方からメンバーの前でプレゼン形式でこのスライドを使用しました。
実際に使用したスライドは下記に共有します。
https://docs.google.com/presentation/d/1RmkxSY15RAJF3EfuJ5Yk6Z1eWMYdbmqjh86pn451Q9I/edit?usp=sharing
■開催場所(リモート環境)
弊社の場合、複数のオフィスを跨いで開催する事情があったため、zoomのビデオチャットを使用してオンラインで作業をする必要がありました。
また、クラウド上のホワイトボードをリアルタイムで全員で使用したかったので、拠点ごとではなく、参加者全員に各自それぞれの端末で、いつでもPCでの操作ができる状態で参加してもらいました。
オフラインで開催する場合は、ホワイトボードのあるごく普通の会議室に集まれば問題ないと思います。
■ホワイトボード
ドラッカー風エクササイズでは、質問に対するそれぞれの回答をより高い視認性で共有できるように、回答を記入した付箋をホワイトボードに並べることが一般的な手法です。
オフラインで開催する場合は、オフィスや会議室にあるようなホワイトボードを使用すれば問題ないのですが、先述の通り弊社の場合はオンラインで実施するということで、物理的なホワイトボードの代わりにGoogleのJamboardを使用し、web上のホワイトボードを介して作業をすることにしました。
Jamboardだと、1つの画面(ホワイトボード)に複数端末から同時に付箋をペタペタ貼ったりレイアウトを編集したりできるので、直感的かつ進行もスムーズ。
今回10人で同時にアクセス、作業しても特に不具合や目立ったラグなどはなかったので、リモート環境下での同時作業のツールとしてはとても便利でした。Googleアカウントがあれば誰でも無料で使うことができるので、これみよがしにオススメです。
さぁ準備ができたら、あとは実践ですね。
実践方法
冒頭に述べた通り、ドラッカー風エクササイズの核となるのは4つの質問と回答です。
4つの質問については、下記のようにあらかじめ決められています。
1.自分は何が得意なのか
2.自分はどういう風に仕事をするか?
3.自分が大切に思う価値は何か?
4.チームメンバーは自分にどんな成果を期待していると思うか?
上記1〜3についてはそれぞれ自分で回答し、4についてはチームメンバーに回答してもらいます。(自分は他のメンバーに回答する)
今回Jamboardを使用したので、下図のようにあらかじめメンバー分のボードを用意し、それぞれのボードに共通の質問を背景画像として埋め込んだ状態で、メンバーには各自回答を付箋に記入してもらい、その付箋をボード上に張ってもらうという作業で進行できるよう準備しました。
実際にJamboardの背景画像として使用した素材も下記に掲載しておくので、お好きにダウンロードして活用いただければと思います。
回答時間はひとまず全員で一斉に15分。
そして15分で回答してもらった後に、私がファシリテーターとなり、5分ずつ各メンバーの回答を発表する時間を設けました。
この時間では主に、下記のような回答に注目して会話を展開しました。
・質問1〜3の回答に関して、私が意外だと、みんなに知られていないものだと感じたもの
・質問4の回答に関して、回答を受けた本人が意外だと感じたもの、応えられない期待があったもの
もちろん、発表された回答に関して、他のメンバーに感想を聞いたりもしました。
回答の発表が5分×10人だったのと、回答時間15分と、作業前の説明時間なども含めて、総じて所要時間としては2時間弱のボリュームでした。
やってみた感想・課題・学びなど
当初の目的通り、メンバー各自が仕事に対してどういう価値観を重きにおいていて、そしてそのメンバーに対してそれぞれがどういう期待をいただいているか、という開示ができたのは出発地点としては良かったのかなと思います。
ただ、どうしてもメンバーごとに回答の粒度にムラが生まれてしまったため、それぞれの擦り合わせまでできなかったのは課題ですが、これは回数を重ねるごとに均一に収束していくものなのかなと、勝手に今後に期待しています。まずは続けることかね。
また、今回は良かれと思って新メンバーのジョイン初日に実施してみましたが、よくよく本人の立場から考えてみると、まだ右も左も分からない状態でいきなり聞き馴染みのないレクリエーションが始まって、大なり小なり戸惑いもあったのかなと後から振り返りました。
そういった点も考慮するのであれば、必ずしも「ドラッカー風エクササイズ」と称して開催する必要はないかもしれないし、実施するタイミングも初出社の日ではなく、少し馴らしの期間を置いてから開催するなどといった工夫も必要かもしれないな、と思いました。
何にせよ、あくまでフレームワークなので、導入する会社の規模や文化に合わせて、どんどんオリジナルのものに発展していって良いものだなと感じています。(これは他のフレームワークに関してもあてはまりますね)
少し長くなってしまいましたが、弊社の「ドラッカー風エクササイズ」実施録でした。
また、今後続けていく上で発見などあればシェアしていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。