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安楽死と医療

先月、老人ホームで入浴介助を受けていた女性が全身やけどで入浴後に亡くなるという事故が起きた。他にも入浴していた利用者はいたであろう状況で、この女性のみが亡くなったというのに疑問はあるが、この女性は、意思の疎通ができなかったとも書かれており、高温のお湯で茹でられるのごとく、熱湯に入れられていた間も何の反応もなかったと思うと、これはもう「死んでいないだけ」だったのではと推測できる。

そこで、ふと思いついて安楽死の定義を調べてみた。安楽死とは、医療的にもう治療の余地がない、助からないことが確定している時にのみ死の積極的選択ができるもの、と定義されている。また、本人の意思が確認できるものとも書いてある。そうなるとかなり厳しいなと思う。

闘病中に、治るか治らないかを確定することは医師でも難しい。がんのステージ4でも無事経過観察まで回復したケースもあるし、体力や免疫力が想定以上に無くてあっという間に弱ってしまうこともある。それを事前に「治らないから安楽死しても構わない」と確定することが条件になっている。

おまけに、精神疾患のような長い期間をかけて治療するものに至っては本人の苦痛が長く、治療し終わって普通に生活できることなど想像もできないこともあり、それでも安楽死の要件を満たさない

そして日本ではまだ安楽死は認められていない。延命治療の有無ぐらいだ。

だが、今回のケースのように、医療的には死んではいない、意思の疎通ができない、熱湯に対する反応もないという状況だとそれは果たして周りの人にとってもこれ以上生かすことは意味はあるのだろうか?そう思ってしまうのであった。

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hanasoraen
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