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本日から短編小説連載します
本日から短編小説「コトナリ研究所附属商店」を連載します。
全14回。
一日に二回ずつ投稿します。
プロローグ合わせたら15回でした。うっかり。
あらすじ
『エイプリルフールの天災』で壊滅状態になり、『コトナリ』と呼ばれるモンスターがはびこる崩壊東京。それと同時に日本では各地に『能力者』が現れ、能力者を中心にコロニーを形成して生活していた。その内の一つ、群馬にある聖クロッシア病院にある『コトナリ研
2 この世界の仕組み
きぃきぃとわずかに音を立ててカズーが来客に近づく。
来客はこの時初めてカズーが車椅子に乗っていたと気が付いた。
「はい、ちょっとマテ茶」
「ちょっとまてちゃ?」
「飲むと落ち着いて、ちょっと待てるから、ちょっとマテ茶」
マテ茶にそんな効能などあっただろうか?
一口飲むと、なんとも言えない渋みが鼻に抜けていく。
「…ちょっと待てそう…です」
気が付くと、そんな言葉が来客の口をついて出てきた。
6 ようこそ赤城村へ
クーとカズー、トニー、赤木は森の木に引っかかっていた。
「ほら、アカギの加護があっただろう」
「たしかにそうだけどぉ…」
「拙者、目が回り候…」
不思議なことに傷ひとつ負っていない。
だが、アカギは放心状態だ。
「竜巻…?台風…?ハリケーン……?」
ぶつぶつと何かを呟きながら虚空を見つめている。
「まぁ無事だったからいいじゃないか!…ん?」
ふとクーが顔を上げると大きな鳥居