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「話を聞き出す」 MOGPテクニック

こんにちは、『ただ話を聞く人』です。
今回は「話を聞き出す」ための心理学について紹介したいと思います。

その名は、「MOGPテクニック」

これから、MOGPとは何か、どうやって使うのかについて順にお伝えしていこうと思います!

0. MOGPとは

まずMOGPとは、イギリスで開発された目撃者からの供述技法です。(Memorandum of Good Practice on video recorded interviews with child witnesses for criminal proceedings)

供述技法と書いてあるとおり、警察の取り調べなどで使われています。
もともとは虐待の被害が疑われる子供から話を聞き出すための方法として研究されたのですが、現在では幅広い状況で使えると考えられ、普段のコミュニケーションにも応用できます。

この技法の特徴は2つあります。

1. 質問形式への配慮
開いた質問を主に使用し、閉じた質問は特定の場合のみ用いる。
これは、質問に対して、「はい」、「いいえ」で答えられる質問をなるべく使わず、相手から情報を話してもらう状況を作るということです。

2.段階的アプローチ
あらかじめ設定された面接の段階に従って質問を展開する。
これは、これから紹介する順序に従って話を進めるということです。

では、この段階的アプローチについて紹介していきましょう。

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1. STEP1: 自由供述

まず最初は「自由供述」です。
これは、案件の内容に言及せずに自由に語らせます。
供述では「この件について何かご存知のことがあればお聞かせください」みたいに聞きます。

この時大事なことは、「話している人の話を遮らない」ことです。
ひたすら聞きます。とにかく自由に話してもらいます。
そして、「他に何か覚えていることはありませんか?」など繰り返して話す人から多くの情報を語ってもらいます。

2.STEP2: オープン質問

次は「オープン質問」です。
ここでは、自由供述で得た情報から気になった点について「開いた質問」で聞いていきます。

「〜についてもう少し詳しく聞かせていただけますか?」
「ここはどんな感じでしたか?」

などの感じで話を聞いていきます。
相談ではここの段階で十分な情報が得られることが多いです!

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3.STEP3: 特定的だが誘導とはならない質問

ここからは必要なときに使う内容です。
自由報告とオープン質問で得られた情報について別の側面を「開いた質問」で質問します。

「どうやってそれに気づいたんですか?」
「なんでそういう風に思ったんですか?」

などが例になります。

4. STEP4: 選択肢による質問

STEP1 ~ 3まででも聞けない内容を聞くときに使います。
ここで始めて、選択肢による質問を行います。

「これはこうでしたか?それともこうでしたか?それ以外ですか?全く覚えていませんか?」

という感じで質問します。
ここで大事なのは、YESかNOかだけでなく、「それ以外、覚えてない、わからない」といった選択肢を必ず与えることです。

これを行うことで間違った情報を言わせたり、聞いてしまうリスクを減らします。(供述を取る上では大事なこと)
日常のコミュニケーションではここまで使うことは滅多に無いですね。

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5. 実際の使用方法とコツ

ここまでは、供述で使われるような内容をちょっと小難しく説明してきましたが、僕が普段意識して使っている流れを紹介したいと思います。

1.依頼を受けた時
依頼を受けて、最初に何のツール使うかなど説明したり、雑談したあとにまず、「どうしましたか?」や「何かあったんですか?」と聞きます。
これが自由供述を催促する質問ですね。

そうすると色々依頼者が話してくれるので、メモを取りながらひたすら聞きます。ここで共感やうなずきを入れるとより話してもらいやすくなります。

2.あらかた話終わったあと
ここから、オープン質問に入ります。気になった点を
「これはどんな感じだったんですか?」「どうしてこうなったんですか?」
など聞いていきます。

開いた質問っていうと難しいかも知れませんが 5W1H の質問形式を意識するだけで大丈夫です。

3. 話が詰まった時
これは相談で依頼者が自分でもどういうことかわからない、自分がどうしたいのかわからない時などのことです。
そういったときにSTEP3やSTEP4を使います

「こういう感じですか?、それともこういう感じですか?」
「もしかしてこうだったりしますか?」

などの聞き方をします。
共感の意味も含めて憶測で聞いたりするのは相談の時ならではの特徴かなって感じですね。

これらを守るだけで、「相手は言いたいことが吐き出せる。
聞き手は聞きたいことが聞き出せる。」という状況が作れます!

6. まとめ

まとめ

なかなかボリューミーな内容になってしまいましたが、これがMOGPテクニックと僕が話を聞く時に使う手法です!

聞き上手になりたい、相談された時どうしていいかわからない、そんな人はここで書かれた内容を意識するだけで少し楽になると思います!

最初に自由な供述をしてもらう。
そのあと5W1Hを意識した「開いた質問」をする。

特に、MOGPのSTEPを守っていれば話しやすいし聞きやすいのでお互いのコミュニケーションがうまくいくと思います。
ぜひ日常の中で意識して使ってみてください。

またこういう「話の聞き方」、「心理テクニック」などの記事を書こうと思うので、よければ、noteとツイッター(@tadahanashikiku)のフォローよろしくおねがいします!

ではまた!

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