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第20回 慶安太平記 6話 9話
前回、。(まる)のイラストは、「恩」の字がとっても印象的でした!
でも、「恩」の字だけではなかった。
「恩」の字を強調する背景が冬を思わせる絵柄だったり、物語のきっかけとなる巡査の帽子が画面中央なのに控え目に描かれたり、「恩」の字そのものの縁等、とっても見所の多いイラストでした!
次回の。(まる)のイラストは、4日(木)に公開予定です。
今回の伝言ゲームのテーマは講談、神田阿久鯉先生の「慶安太平記 (6話) (9話)」です。
○講談会
神田昌味 神田阿久鯉 2×4=八講談会
(略称は昌味先生曰く“八講会”で良いそうです!)
会場:らくごカフェ
オシャレ空間が満席となる大盛況の会だった!
○演者、演目
神田昌味 幡随院長兵衛 二話
神田阿久鯉 慶安太平記 六話
神田阿久鯉 慶安太平記 九話
神田昌味 正直車夫
昌味先生と阿久鯉先生は共に日本講談協会所属の真打の先生。本会では、連続物と呼ばれる複数話に渡る長い長い物語内、昌味先生は1席、阿久鯉先生は2席の高座。今後の八講会で少しづつ続きを進められる予定とのことで、今後も楽しみです!
○ゲームのテーマとした演目
神田阿久鯉 慶安太平記 (6話) (9話)
概要
(6話)トムラ タンザブロウの紹介
タンザブロウの人となりを紹介しつつ、柳澤宗矩ひいては徳川幕府に対して反感を抱くまでのエピソードが次々に展開される。
時代は江戸時代、家光の治世。戦乱の世の粗野で無頼な浪人が、市中に見かけられる頃の物語。
タンザブロウが牛太郎に声をかけられ物語が始まる。タンザブロウはお茶屋での常識外れの振る舞いと言動で店の者を困らせる。しかし、事の次第を聞き、タンザブロウを目の前にした店の主はその人となりを気に入る。ここから物語は急展開、あれよあれよと柳澤宗矩の家の奴となるタンザブロウ。宗矩に教えを乞う機会を伺いながら、下働きに励む。そんなある日、暴徒に襲われた宗矩をタンザブロウが救う。
(9話)サハラ ジュウベイの紹介
ジュウベイの人となりを紹介するエピソードが次々に展開される。
ジュウベイは偽名を使い無学の侍を演じ、正雪に近づく。これは正雪を観察する機会を得るための計画だった。しかし、短歌を記した短冊を正雪の門弟に見つかり正体が明らかになる。計画の露見と経緯、対応を鑑みて正雪を認めたジュウベイは、正雪の配下に加わる。
「慶安太平記」は、由井正雪の生い立ち〜修行時代〜幕府転覆の計画・準備期間〜計画の失敗〜生涯を終えるまでの物語。由井正雪の物語。今回の6話と9話は計画・準備期間の一部で、仲間が増えていくセクション。
仲間が増えことの高揚感は楽しく心弾む!
この高揚感を阿久鯉先生は大仰な演技ではなく、丁寧な人物描写と聞き取りやすいエピソード展開で表現した。
お茶屋に3日間居残ったタンザブロウは、3日分の支払いを要求され、
“「持ち合わせはない。銭は花魁が払ってくれる。」と牛太郎が言ってた。”
と、あっけらかん。
これは客引き牛太郎のセールストークを真に受けたもので、粗暴とも言えるが、世間知らずで裏表のない人となりのエピソード。
エピソードで語られるため、粗暴と世間知らずの割合は観客みな異なる。また、別のイメージを抱く観客がいても不思議ではない。
タンザブロウとは一転、ジュウベイは頭脳派として描かれた。(僕の印象)
素性を隠したり、短歌を創作・解釈する場面がストーリーの状況とともに丁寧に描かれる。
聴いているこちらは、物語の進行に合わせてあれでもないこれでもないとジュウベイ人物像を巡らす。楽しい♪
阿久鯉先生の高座は物語の世界に引き摺り込む力強さが強調されるものではなかった。
阿久鯉先生は何かを思い描くきっかけを豊かに与えてくれる。
↓
こちらはそのきっかけを元に想像を巡らせる。
↓
いつの間にか、自分の中に物語の世界が広がる。
魔法にかけられたような高座だった。
〇まとめ
・登場人物の個性。
・物語の世界観や登場人物の個性に夢中になる阿久鯉の魔法!