群論の話(その1)
群を考える前に
群というものをみる前に自分なりの出発点を考えてみました。感覚的なので細かいことは気にしないでください。
数学の世界には、数字や写像など様々な要素があり、要素が集まると集合となります。また集合の集合を考えてみてもいいかもしれません。
さてそんな集合そのものを考えてみてもいいですが、要素が複数あれば演算をしてみようとするのはよくあること(?)ではあるので、セットで考えてみましょうということなのでしょう。たぶん。
もちろん自由に考えすぎても性質なんて何も見えてこないのである程度の制限をかけてみた、というところでしょうか?
何かご存じの方いらしたら教えていただけますと幸いです。
群の定義
群とはある集合$${G}$$に対して演算$${\circ}$$が定められていて、その演算について閉じているとき、つまり
$$
\forall a, b \in G \implies a \circ b \in G
$$
が成り立ち、さらに以下の3つの性質を満たすときその集合と演算のペアに対して群という。
1.結合法則
任意の$${a,b,c \in G}$$に対し
$$
(a \circ b) \circ c = a \circ (b \circ c)
$$
が成り立つ。これを結合法則という。
2.単位元
任意の$${a \in G}$$に対し
$$
a \circ e = e \circ a = a
$$
なる$${e}$$が存在する。この$${e}$$を単位元という。
3.逆元
任意の$${a \in G}$$に対し
$$
a \circ b = b \circ a = e
$$
なる$${b}$$が存在する。このときこの$${b}$$を逆元という。
単位元と逆元の一意性
ところで単位元と逆元はそれぞれ一意に定まることが知られている。
単位元
群$${G}$$に相異なる単位元$${e, e'}$$が存在するとする。このとき単位元の定義から
$$
ee' = e'e = e \\
ee' = e'e = e'
$$
である。すなわち$${e=e'}$$が成り立ち、最初の仮定に反する。したがって単位元は一意的に定まる。
逆元
群$${G}$$の元$${a}$$に対して相異なる逆元$${b, b'}$$が存在するとすると
$$
b = eb = (b'a)b = b'(ab) = b'e =b'
$$
である。すなわち$${b=b'}$$が成り立ち仮定に反する。よって逆元も一意的に定まる。
最後に
群論では一般に$${a \circ b}$$のことを単に$${ab}$$と書き、その結果のことを積という。これは一般的なかけ算の結果である「積」とは異なる意味であることに注意していただきたい。
では。またお会いしましょう。