感情の波を超えて―スキームと静けさの間にある道
揺れる感情、その向こうにあるもの
ふとした瞬間、涙が込み上げたり、胸がざわついたり。
あるいは、小さな出来事で怒りや不安が燃え上がることはありませんか?
その感情の奥には、「スキーム」と呼ばれる無意識のパターンが潜んでいることがあります。
この記事では、感情とスキームの深い関係を紐解きながら、静けさを取り戻すためのヒントをお伝えします。
1. 感情が教えてくれる「スキーム」というルール
スキームとは、私たちの無意識に刻まれた「思い込み」や「ルール」のようなものです。
それは過去の経験によって形作られ、日々の感情や行動に大きな影響を与えています。
例えば:
「完璧でなければならない」というスキーム
→ 小さな失敗に対して、不安や焦りを感じる。「自分は愛されない」というスキーム
→ 些細なすれ違いで孤独感や悲しみを抱える。
感情は、スキームが発する「信号」のようなもの。
その信号に気づかずにいると、スキームは無意識のループとして私たちを支配します。
2. スキームに気づく2つの静かな方法
感情が強くなったとき、すぐに「変えよう」としたり「解消しよう」とすると、かえってスキームの働きに巻き込まれてしまいます。
むしろ、その感情とスキームをただ「観察する」ことで、静けさが自然と戻ってきます。
以下の2つの方法を試してみてください。
1. オリジナル公案:「この感情が形を持つとしたら?」
感情の波に飲まれそうなとき、自分にこう問いかけてみましょう:
「この感情が形を持つとしたら?」
それ以上、何かをイメージしようとしたり、考え込む必要はありません。
問いを立てたら、そのまま「問いが生じた空間」に留まるような感覚でいてください。(いずれ深く解説しますが、この公案には答えがありません、というか出ません。答えが出ないのが、この公案の肝です)
この問いは、感情そのものを観察するきっかけとなり、スキームのループから距離を取る助けになります。
2. カバの静けさを感じる:「何もしない」という選択
カバがゆったりと川辺でたたずんでいる姿を思い浮かべてみてください。
その静けさのように、「何もしない」という選択をしてみるのです。
具体的には:
椅子に触れる背中の感覚に注意を向ける。
足の裏が床に触れる感覚を感じ取る。
空間の広がりを静かに意識する。
このように、感情を「解決する」のではなく、ただ「今ここ」に意識を戻すことで、スキームのループが自然に弱まっていきます。私も含めて、今、人は、<動き過ぎ>ですね・・・ちなみ。リラックスするために◯◯も、動きですよ。
3. 感情と静けさの間にある自由
感情は、スキームが「気づいてほしい」と送るサインです。
そのサインに対して、「意味づけ」や「解釈」を加えようとせずに、ただ「観察」することで、スキームの影響から抜け出すことができます。
そのプロセスを通じて、次第に気づくのです。
感情は「自分そのもの」ではなく、ただそこに一時的に現れているものに過ぎないことを。
結び:感情の波を超えていく
感情に巻き込まれないために必要なのは、それを排除することでも、無理に変えることでもありません。
むしろ、感情を観察し、スキームの影響を少しずつ手放すことで、静けさが自然と戻ってきます。
オリジナル公案やカバの静けさを感じる練習を通じて、スキームの力から自由になり、「今ここ」に存在する静けさを感じてみてください。
次回予告:「スキームを手放す第一歩~小さな選択から始める自由への道~」
次回の記事では、スキームの束縛を解き放つ「小さな選択」の重要性についてお話しします。
一歩ずつ静けさに向かう、その道を一緒に探していきましょう!