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かりあげクンの尊さをプレゼンさせてほしい

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かりあげクンに出会ったのは2020年の秋頃になる。主人公かりあげ正太の担当声優をされた塩屋翼さんが大好きで、軽い気持ちで1話を公式Youtubeチャンネルで視聴したことがきっかけだった。

4頭身で可愛らしいキャラクターデザインだが、内容はダークユーモアとほのぼのギャグと日常系のネタが満載で大人向けであり、謎の中毒性があるOP曲『夜の銀ギツネとタヌキ』そしてED曲『かりあげクンのかりあげ一日』が脳内無限ループし、2話以降も観たくて観たくてしょうがない気持ちになった。

主人公のかりあげ正太はポーカーフェイスで軽犯罪ギリギリ(令和の時代では一発アウト)のイラズラを淡々と行い、周囲は痛い目に遭うが、脇役たちもなかなかの個性的なキャラクターであり、こんなに面白いアニメが30年以上前に放送されていたんだと感動した。わたしはかりあげクンの放送時は未だ生まれていなかったが、かりあげクン自身と同世代になって、同じ目線で見て最高に推せると思った。2話〜最終話まで映像レンタルしたが、期限切れしてもまた何度も観たくなってしまい、思い切ってDVD BOXを購入した。人生最高の買い物の一つになったと言っても過言ではない。

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万年平社員で会社のお荷物、意識高い系の真逆を生きるひねくれ者で、もし現実に彼が同僚にいたら、即刻クビか異動になるほどの問題社員である。だが、わたしはアニメと単行本を読んでかりあげクンの底知れなさを尊いと感じた。悪名高い彼だが、意外にもスポーツができるし、手先が器用、料理の腕もプロ級、動物や子供に懐かれる、そして女性には優しく、周囲をよく観察して果敢にいたずらを仕掛けるかりあげクン。いいハンターになる素質が充分すぎるほどある、稀有な存在なのである。

尖りまくったネタでギャグもシュールなので、きっと再放送されることは難しいかもしれないが、いつの日にかリバイバルしてほしいと本気で推している作品である。昨年冬に『ほんにゃらゴッコ かりあげクン』は40周年を迎えられ、今もなお年間1,000本以上の4コマを生み出し続けられている原作者、植田まさし先生を心からリスペクトしています。

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2021.9.18 追記
現在わたしは山田玲司先生の特別マンガアカデミーの第1期生として、プロの漫画家を目指して猛特訓中なのですが、息抜きにかりあげクンのDVDを見て元気を貰っています。そこで改めて感じたことを追記します。
かりあげクンが凄いと思う点は、サラリーマンとして給与を貰いながら公然と仕事をサボってイタズラしまくり、利害とか出世とか全く無視した万年平社員で、尚且つ他人の嫌がることをわかっていながら積極的にやるというファッションサイコパスを日常的に繰り返してるところです。

これを絵描きとか漫画家で無理矢理置き換えてみると、プロとしてファンや編集者の意向を汲み取りつつ作品作りをしなければいけない立場なのに、需要を無視した作品を量産して、金銭や評価に対して全く執着せずにやりたいことやって生きながらえているという、まったく弱点が無い最強の状態だと思うんです。

これは決して、お金を貰いつつわざわざ他人の嫌がることをすることが素晴らしいという意味ではありません。他人の感情や評価に振り回されやすい気質であるからこそ、かりあげクンの心の姿勢の良い部分を取り入れたいなと思った、という記録です。

数字とか評価とか人気はとても大切な指標だけど、それは逆に弱点になりえるので、かりあげクンみたいに数字や評価や人気を敢えて無視できるサイコパスマインドになることができれば、最強の漫画家になれるんじゃないかと思っています。
「自分の需要を自分で勝手に供給してそれで幸せなのが一番だよな。それで味噌汁飲んで長生きして微笑んでたら最高の人生だよな。よし、今日も絵を描こう。」そう思えるようになりました。

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