見出し画像

タイプ別オフショア開発の単価と難易度

初めてオフショア開発を発注する場合、オフショア開発とは

単価が安い
失敗しやすい

と言ったイメージがあるかもしれません。

確かに単価は基本的に安いです。また国内開発に比べ、オフショア開発ならではの失敗するケースもあります。

これらの情報は、間違ってはいませんが、単価は国内開発の1/4程度のものもあれば、全ての費用を含めると国内開発の3,4割引ほどの価格となるケースもあります。

またタイプによって失敗しやすい難易度の高いオフショア開発もあります。

大まかな説明をすると、単価は安いタイプのオフショア開発は、発注者側で多くの管理を行うタイプのオフショア開発です。単価を安くできる分、オフショア開発や現地の文化をしっかりと理解していないと失敗するケースも少なくありません。

反対に単価が比較的に高いタイプのオフショア開発は、開発会社からしっかりとサポートを受けられるタイプのオフショア開発です。失敗するケースはあまり多くはありません。

この記事では、ベトナムでのオフショア開発のタイプと特徴を説明します。

発注者側の状況に合わせてオフショア開発のタイプを選ぶ事ができる事がこの記事のゴールです。


オフショア開発のタイプ

オフショア開発のタイプは、それほど多くはありません。

それぞれのタイプと特徴について説明します。

難易度と発注者コストは5段階評価で行い、数値が高いほど難易度・発注者コストが高いものとします。

価格はPHP(Larabel)エンジニアの1ヶ月単価(国内単価平均約¥700,000/月)とします。

また、価格には、通訳・翻訳の費用が入っていることとします。

※各タイプの必要な費用が異なります。目安にしてください。


発注型オフショア開発

このタイプは比較的理解がしやすいオフショア開発です。

オフショア開発を行なっている開発会社に発注するタイプです。

発注者側で開発会社と協議をしながら、要件定義を決めて、開発会社に発注します。

この発注型のオフショア開発には、開発会社がベトナム国内企業向けなのか、日本企業向けなのかの違いがあります。

ベトナム企業向けの開発会社

このタイプは、かなり難易度が高いオフショア開発になります。基本的に現地またはリモートでのやり取りになります。オフショア開発を初めて行う場合、このタイプの開発会社に発注することは、あまり考えないとは思いますが、昨今、日本の開発市場に進出してきた企業などは、日本語通訳を雇っただけという企業も存在します。このタイプのオフショア開発を避けたいのであれば、必ず発注前にこれまでの開発実績と開発の具体的なスケジュールや品質管理について確認してください。

難易度:5

発注者コスト:4

費用:¥250,000/月


日本企業向けの開発会社

内に営業所や開発会社があり、日本国内で打ち合わせなどを行います。

弊社も提供しているオフショア開発の一つです。


発注者と密に連絡を取りながら要件定義やスケジュールを決めて、開発はベトナム国内で行います。

難易度は低く、初めてオフショア開発を行う発注者にはおすすめです。しかし、日本に営業所があり、担当者も日本人のエンジニアである場合も多く、その分費用は高めになります。

難易度:1

発注者コスト:2

費用:¥350,000/月


ラボ型オフショア開発

オフショア開発で柔軟な開発を行うために提供されているラボ型開発は、現地のラボ型オフショア開発を提供している開発会社のオフィスの一部を使って、月ごとにエンジニアと契約する方法です。

ラボ型の大きな特徴として、期間ごとに契約するため柔軟な開発を行う事ができます。

発注型に比べて、仕様をはっきりと決めずに開発を行う事ができるため、スタートアップのような仕様が急に変わったりする企業には最適です。

ラボ型オフショア開発を行う開発チームの管理を発注者側で行う必要があります。

開発チームのマネジメントをリモートや現地に直接常駐するなど、状況に応じて運用コストがかかります。

また契約期間は短くても半年程度が基本的なラボ型サービスとなります。(お試しで3ヶ月でも可能なラボ型サービスもありますが、例外的です)

少なくとも半年は開発が常に発生する状況でなければ、損をするかもしれません。

ラボ型オフショア開発の提供するサービスは、開発者の用意、勤怠管理、オフィスなどの場所や用具です。そのため契約後1ヶ月程度で開発を始める事ができます。

ラボ型オフショア開発の契約金額は、エンジニアの人数などチームの規模によって決まります。

このラボ型開発は二つのタイプに分ける事ができます。



エンジニア貸し出し型ラボ型開発

開発チームのエンジニアをラボ型開発会社から貸し出すタイプのラボ型開発です。

エンジニア貸し出し型ラボ型開発の特徴は、エンジニアをラボ型開発会社から貸し出すことで、安定的に開発者を用意する事ができます。

しかし、ラボ型開発を提供する開発会社所属のエンジニアが開発を行うことになるため、報酬や労働規約をコントロールすることが難しく、結果エンジニアのモチベーションを維持する事が簡単ではありません。

難易度:3

発注者コスト:4

費用:¥300,000/月


エンジニア雇用型ラボ型開発

開発を行うエンジニアを雇用して、開発チームを作るラボ型サービスです。正確には、雇用ではなく業務委託を行います。

直接雇用するので、ここのエンジニアに対して報酬の金額、チームの文化、昇給・昇格の条件、契約期間、雇用形態などを自由に決める事ができます。

貸し出し型ラボ型開発に比べ、自由に昇給や契約期間などを決める事ができますので、発注者側の文化やエンジニアのモチベーションなどのコントロールが比較的簡単です。

エンジニアが退職してしまった場合、採用コストや引き継ぎコストがかかることと、貸し出し型に比べ、採用までに時間がかかるリスクもあります。(ベトナムはエンジニアの求人に対して応募が多いためそれほどリスクではありません。)

難易度:3

発注者コスト:4

費用:¥250,000/月


オンサイト型ラボ型開発

ラボ型オフショア開発では、発注型のように納品の責任はありません。

現地の開発チームのマネジメントやタスク管理は発注者側で行う必要があり、発注者側にも開発に関するノウハウが必要です。

発注者側でノウハウがない場合は、ラボ型の生産性をあげることも簡単ではありません。

そこで、ラボ型の柔軟性を維持しながら、開発するプロダクトの設計やスケジュールやタスク管理、開発チームのマネジメントやモチベーション管理をサポートするラボ型が登場しました。


これがオンサイト型ラボ型開発です。

ラボ型を行う開発会社が用意したブリッジSEを通じて、発注者は開発チームをコントロール、マネジメントを行います。

ブリッジSEはオフショア開発のノウハウを持っていますので、発注者は最初から成果の高いラボ型の開発を行う事ができます。

こちらのオンサイト型ラボ型開発も弊社が提供しているオフショア開発のサービスの一つです。


難易度:2

発注者コスト:2

費用:¥350,000/月


現地開発会社設立型オフショア開発

現地に法人を設立して、開発者を雇用するオフショア開発です。


開発会社を現地に設立して、ベトナム人エンジニアを直接雇用する方法です。

結果的には一番安くエンジニアを雇用できますが、代わりに設立コストや設立までに約3ヶ月ほどの期間がかかります。

また基本的に契約はなく、法人を解散することでしか終わりはありません。

じっくりと腰を据えてオフショア開発を行いたい場合には、この現地法人を設立する方法が良いでしょう。

難易度:5

発注者コスト:5

費用:¥150,000/月

※その他、設立コストがかかります。


まとめ

このようにオフショア開発と言っても、様々なタイプがあります。

発注者側のノウハウやコストに合わせてタイプを選択すると良いでしょう。

初めてオフショア開発を行う場合は、日本企業向けのオフショア開発会社に発注する方法かオンサイト型ラボ型開発がおすすめです。

オフショア開発を経験し、ノウハウが溜まってきたら、エンジニア雇用型ラボ型開発などが良いでしょう。現地法人設立にチャレンジしても良いかもしれません。

いいなと思ったら応援しよう!