未来への希望を取り戻すために
人生において「何」が悲劇だと、あなた以外の誰が決められようか。
幸せというのは主観的なものである。
他人に決められるものではない。
不幸だと感じる境遇にあっても生きていれば、「あのときの経験があったからいまがある」と思えるようになる。
第二次世界大戦のアウシュビッツ収容所から奇跡的に生き延びた精神科医ヴィクトール・フランクルの言葉には次のようなものがある。
「どんなときにも人生には意味がある。
未来で待っている人や何かがあり、そのために今すべきことが必ずある」
未来で待っている人と言われても、ピンとこないということがあるかもしれない。
私自身も33歳の時に人生の絶望を味わうまでは、そう思っていた。
タイムマシンがあるわけでもあるまいし…未来で待っている人なんていない
と思っていたのである。
33歳で第一子を生後29日で亡くしたとき、私は未来なんて考えられない状況だった。
いま生きていることすら苦しい。
なんなら、呼吸する事すら苦しい、という状況が続いた。
しかし、「時薬」という言葉があるように、時間が深く深くえぐれた心の傷を癒してくれた。
そうして、少しずつ「苦しい」を手放していく中で、私はようやく未来を考えられるようになった。
「どんな未来を手に入れたいんだろう?」
そう自分に問いかけたときに、いつも返ってくるのは
「もう一度お母さんになって、我が子を手に抱きたい」というものだった。
正直、怖かった。
また同じことを繰り返すのではないかと思ったから。
同じ経験がやってきたら、もう私は立ち直れないだろう…と思ったのだった。
しかし、同時にこの経験を乗りこえたことで、私はいままで出逢えなかった人と出逢うことができるようになったのである。
それは、同じような経験をした方であったり、医療に関する仕事をしている方であったり、普通に生きていれば交わるようなことがない人とのご縁がどんどんと繋がっていった。
私の経験を話すことで「励まされた」という方もいた。
いま、経験していることは決して無駄ではない。
「どんなときにも人生には意味がある。
未来で待っている人や何かがあり、そのために今すべきことが必ずある」
そう信じて、進んでいけば必ずあなたの経験は誰かの役に立つ。
そしてあなた自身の大きな成長につながる。
ここまで読んで下さりありがとうございました。
今日があなたにとって素敵な1日になりますように。