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針脱毛に行ったら尊敬された(ビフォアフあり)

もともと、父譲りの濃い眉には悩まされてきた。
薄すぎるよりはマシかもしれないが、ほんとうに濃いのである。
手入れをしていない幼いころは普通につながっていた。
中学生あたりから気になり始めて、剃ったり抜いたり。でも左右の形や高さが違ったりしていびつになることが多かった。

大学生の頃、ワックス脱毛がメジャーになり始めて、気になった私は思い切ってアナスタシアに行った。言わずと知れた眉毛サロンである。すごくきれいにしてもらって、とても感動したのを覚えている。しかし、相場より相当お高いので、アナスタシアはそれっきりだ。

社会人になってからは、コロナで途絶えたりはしたものの、気になるときにはワックス脱毛に行くようになった。最近はお手頃価格でもきちんと整えてくれるのでほんとうにありがたい。
しかし、ワックス脱毛には、脱毛に行くまである程度眉毛を伸ばさないといけないという縛りがある。これが眉毛濃い族にはけっこうつらい。きれいになる前の1~2週間、眉毛がぼさぼさの限りを尽くすのである。しかも私は前髪を作っていないので、それが露わになってしまうのだ。
友人は「定期的に通ってたらなんだか生えなくなったよ~」とか言っていたが、私の眉毛はまったくそんな兆候はなく、ワックスに行った後の1週間くらいしかきれいな状態は維持できず、またしつこい毛が現れるのであった。

そんなイライラを抱えていたところ、Twitter(頑なにエックスと言いたくない)で、同じ悩みを持つらしき眉毛濃い族の方の「どうしたらいいんだろう泣」みたいなツイートが拡散されており、そこに「しぶとい毛には針脱毛がいいですよ!」というアドバイスが寄せられていた。

針脱毛。

一発だけど痛いやつだよね。レーザーの効果がない白い毛とかに使うもんだと思ってたけど、別に普通の毛にやってもいいんだよね。
眉周りはレーザーやってくれるところも少ないしなぁ…。

そっか、針脱毛…。

……。

するか!

フォトウェディングを前に、どうせやるなら今のうちやってしまおう、という気持ちが大きく、決断はめちゃくちゃ早かった。

チェーンで予約が取りやすいクリニックで、早速予約した。
眉毛は近々ワックスに行こうかと思っていたし、ちょうど伸びている。いいタイミングだ。

当日。私はボサボサの眉毛でクリニックに向かった。

処置室に通され、ベッドに横になると、看護師さんが背中に金属の板を差し込んできた。理科は不得手なのでなんでかはわからない。
そして「とりあえずあからさまに不要な毛は処置しちゃいますね~」ということで、眉下の太い毛を処置してくれた。
結構痛い。何をやってるかって、毛根に電流を流して壊しているらしい。涙が出そうだったが、なんとか我慢できる傷みではあった。VIOのレーザーよりは痛いと思う。看護師さん曰く、眉下はかなり痛い部位のようだ。
コースの規定の本数まで取ったところで、「後どれくらいいきます?」と看護師さんが鏡を見せて確認してくれた。予算的にはまだまだいけたが、「結構腫れるので、一気にやりすぎるとダウンタイムがつらいかも。人によるけど、初回だからあんまり無理はしない方が」とのことだったので、予算MAXまではいかない範囲でもう少しやってもらうことに。
結局、30本くらいで打ち止めになった。
お会計は針代(初回はマイ針を購入する。1年有効)と脱毛代で20000円と少しといった感じだった。1年以内にマイ針を持って再来すれば、次回は針代はかからない。

幸い、細かく確認してくれる優しい看護師さんだったので、丁寧にお礼を告げて帰路についた。しかしエレベーターの鏡に映った自分を見てびっくり。

毛を抜いたところが尋常じゃなく腫れているのである。

自分でもぎょっとするレベルだったので、事情を知らない人が見たら、ぎょっとするどころではないだろう。気持ちのいい見た目でもない。
しかも先述の通り、私は前髪がない。隠せない。
……帽子、持ってくるんだった。
初めてダウンタイムの人の大変さがわかった気がした。

私はうつむいてとにかく早足で雑踏をすりぬけ、駅に滑り込んだ。電車でもそそくさと角っこをキープし、人に見られないよう細心の注意を払った。

帰宅してから冷やしたりして少し時間が経ったら、毛穴ごとにボツボツ腫れていた感じから全体的に腫れている感じに移行した。この方が見た目の気持ち悪さは軽減される。眼鏡をかけてしまえば、よくよく見られない限り気付かれなさそうだった。これから土日に突入するので、夫としか会わない。夫は気付かない気がする、と思った。

予想通りすぐには気付かれなかった。
倹約家な夫に、針脱毛に行ったなんて言ったら、「なんでそんなんしようと思ったの? 高いのに」と言われてしまいそうな気がして、気付かなくて好都合、と思った。
しかし翌日、経過の写真を撮っているところを見られ、腫れにも気付かれてしまった。渋々針脱毛に行ったことを白状した。すると反応は思っていたのとなんだか違った。

「え!? 針脱毛!? 眉に!?!? めっちゃ痛いんでしょ、すごくない!?」

…そうだった、夫が脱毛に関心のある男だというのを忘れていた。夫は医療脱毛に通ったりはしていないものの、ケノンとトリアを所持し、コツコツと自分の体毛を駆逐しているのである。針脱毛にも関心はあったが、高いし何より痛そう(やりたいのはヒゲ)なので踏み切れなかったそうだ。今回私がそれに挑んだということにひたすら感心していた。意図せず、尊敬されてしまった。

というわけでビフォーアフターはこんな感じである。

眉下の目立つ毛が軒並みいなくなって満足している。
目立っていた毛がいなくなると、今度は二軍の毛が目立ち始め、無限の沼である。

ダウンタイムは私の場合は3、4日程度だろうか。腫れは3日目でほぼなくなったが、しこり的なものがさらに2日くらい居座っていた。ちなみに生理が終わって一週間後くらいの、いちばん調子のいい時期に行った。そうでなければ痛みがもっとあったり、回復に時間がかかるかもしれない。大事な用事を一週間以内に控えている人は絶対やらない方がいい。

きれいな眉毛にはほど遠いが、また、人と会わなくていい日が続くタイミングでやろうかなと思っている。

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