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寄り添うこと

いつのまにやら季節は変わって緑で街が溢れてきた。
雪があったことすら
桜が咲いていたことすら
忘れてしまう景色が青空とともに広がっている。

日々も季節も繰り返していき
変わることもあれば、変わらないこともある。
そのなかで人は何を求め、考え、想っているんだろうと、突然とぼんやり考えることがある。

答えを出したいとか考えていたいとかではなく
ただぼんやりと呼吸をするかのように。
あるとき、湯船に入りながらそのぼんやりと考えていた私なりの答えが出てきた。
答えたいわけでも、考えていたいわけでもなかったのに、ピコンっとメールの着音が鳴ったかのように言葉が出てきた。

ピコンっ 

「寄り添う」

という言葉が
心の画面に出てきたのだ。

人はきっと 何かに 誰かに 寄り添っていたいのだ、または寄り添っていて欲しいのだと。

ひとりでいても目を瞑り無音のなか
何のイメージもなく、心の声も無く、
雑念も記憶をたどることさえなく
いれるのであればまた別かもしれないが、

風景や音、匂いや感覚、思い出、快楽、趣味、好きな気持ち、嫌いな気持ち、嬉しい、楽しい、悲しい、苦しい、感動、喜び…
生きている中で出会った何かに寄り添っていたいのではないかと思った時、
ふと謎が解けたような気がした。

だからもし何かで立ち止まった時があれば
あぁ、今 寄り添っている と思えば
少し雲が薄くなり、薄いきれいな水色の青空が
瞼の裏側に広がってふわっとした気持ちに
なるのかもしれないなと思う。

そんなことを思ったのでココに綴って
またいつかの自分か誰かがみて、
そうだったと思うきっかけになるといいなと
文字を打っている。

日々と季節に寄り添い
自分の中の自分にも寄り添いながら
また繰り返して歩いていく。
そんなスズランの咲いている5月だった。

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