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スリランカに魅せられて、1週間の旅に出る

首都コロンボに降り立つと、蒸し暑い空気が肌にまとわりつき、街にはスパイスの香りが漂っていた。赤土の道を進み、街の喧騒から少し離れると、そこには静かに佇む石造りの古代遺跡がある。

スリランカは、古代の歴史と現代の生活が絶妙に調和する国だ。数千年にわたる波乱の歴史、そしてその中で育まれてきた豊かな文化が息づいている。内戦や植民地時代を乗り越え、今もなお未来へと歩んでいるスリランカの人々。その暮らしや文化には、他のどの場所にも見られない独特の空気が漂っている。

僕がスリランカに魅了された理由はいくつもある。その中でも特に心に残る理由をいくつか紹介したい。


歴史

スリランカを旅する理由の一つは、その土地に根付く「歴史」に直接触れたいと思ったからだ。内戦の傷跡が残る場所では、人々がいかにして平和を取り戻し、どのように再建を果たしているのかを知りたかった。戦争で失われたもの、そしてそれを再び築き上げるために歩んできた道のり。それは、ただの観光地では感じられない深い学びをもたらす。


多様な文化と宗教の調和

スリランカのもう一つの魅力は、多様な宗教や文化が共存し、調和していることだ。仏教、ヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教がそれぞれの文化や習慣を持ちながらも、同じ空間で共に息づいている。この宗教的多様性は、スリランカならではの独自性を形成しており、旅人に新たな視点を与えてくれる。特に、仏教の聖地であるキャンディの仏歯寺では、祈りを捧げる人々の姿に宗教が持つ力強さと、その影響を強く感じることができた。

仏歯寺の僧侶

圧倒的な大自然

スリランカの自然美は圧倒的だ。東京の都会生活では決して味わえない、広大で力強い風景がここにはある。山岳地帯に広がる茶畑を、登山鉄道に乗って見渡す。そして茶畑の中で味わう一杯のスリランカティーは格別。さらに、シギリヤ・ロックの頂から広がる熱帯林の壮大さは、言葉では表現できないほどの感動をもたらす。

道中の熱帯林

スリランカ料理の魅力

食の体験もまた、スリランカを旅する際には欠かせない。スリランカ料理のスパイシーな香りと味わいは、口に運ぶたびにその土地の歴史と文化を感じさせる。多様なスパイスがふんだんに使われた料理は、人々の生活に根付いており、料理を通じて彼らの日常に触れることができる。スパイスを求めてかつてポルトガルがこの地にやってきた歴史が、料理を通して今も息づいているのだ。


人々のホスピタリティ

スリランカの人々の温かいおもてなしは、仏教的な精神から来るものなのだろうか。彼らの親切さに、何度も驚かされた。そして内戦を経験し、そこから立ち直ってきた彼らの話を聞くことで、僕自身も深い学びを得ることができた。

彼らの日常に触れ、その価値観を共有することで、スリランカという国の本質に少し近づくことができたと思う。

カメラに気づくと、無邪気にポーズをとる。「俺たちのこと、撮ってよ。」と。


スリランカで経験した一つ一つの瞬間が、僕にとってかけがえのない記憶となり、新たな視点をもたらしてくれた。

そんなスリランカ旅行の模様を全10回程度に分けて書いてみようと思う。


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