青春時代のヘアースタイルを貫く人たち [笑]
前回に続き、面白いはなしです [笑]マーク付けました。
80年代のデッカイフワフワヘアー頭に青いアイシャドーの如何にも「ドリー パートン好き」という風貌のアメリカ人女性を ”たまに” 見かけた90年代と2000年代初頭のアメリカ。(ドリーパートンご存知ない方、是非ググッて。)私は当時ソバージュ頭でした。もしソバージュがわからなかったら平野ノラさんのバブリーヘアーを思い浮かべてください。あのヘアスタイルです。
80年代のドリー パートン模写おばちゃんを見るたびに「ああ、あの人の中で時代は止まってるのね。アレが彼女の中ではカッコいいのね。きっと青春がそこだからね。。。うんうん」と勝手に納得し、それと共に「あんな風にならないようにしよう」と硬く心に誓っていた。
ソバージュは私の中で一度パーマをかけたら一年近く放っておいてもそれなりに過ごせる"かけ立てはグリグリ→→ 12か月後にはゆる〜くウェーブ入ってます” な出で立ちに仕上がる便利でコスパもよく当時 貧乏な大学生で、のちに就職したてのお金に余裕のない身には非常にありがたい髪型だった。ズボラな私は髪型を追求する事なく年月は過ぎた。日本のようにファッションがくるくる変わらない中西部のアメリカ都市では何の支障もなかった。
2004年運命の導きで日本に数年住むことになり帰国。新居も決め荷物も入りやっとの思いで美容院に行った。清楚な男性美容師さんがにこやかに出迎えてくれ席に案内されると何の変哲もない「今日はどんな髪型にされますか〜」からのお天気話などでお茶を濁した後 その時はやってきた。
『ダンスか何かアート関係の事やってらっしゃるんですか?』
ソーバージュが解けた長ったらしい私の髪を梳かしながらお兄さんは聞いてきた。「??? いえ、あのぅ〜ただの人です。米国に10年近くいて、これから日本での生活が始まるんです。」と意気揚々と話した。帰り道、”お任せ”のNewヘアーになった私は頭も心も軽くなりウキウキと歩きながら超絶短くなった髪を手で触れもう一度考えた。
あの『ダンスの人』は一体何だったんだ?
ものの3分もしないうちに「ええー? もしかして私、青春止まっちゃった人やってたあ?!」と気づいた。自分の中で青ざめ、でも爆笑。すぐに姉に電話し美容師さんに言われたことを報告 アハハハハーっとお互い笑った。
しかしながら美容院のお兄さんは偉い「あなた洞窟から出てきたんですか?」とか「今までどこに居られました?」と言いたかったろうにダンスかアートなんてセンスがいい(座布団5枚っ)私もこの言葉を使おう最強なワードだ! アート/芸術、自分を追求している表現にバッチリ嵌る。
さて時は経ち丸6年強過ごした日本の暮らしにもおさらばしなければならない時がやってきた。私は何を思ったか「アメリカに戻るしここいらで大人しい髪型からソバージュにしよう!」と思ってしまった。荒唐無稽な発想。何かが作用した頭おかしくなった決断だ。一体何に反発したかったのか今でもわからない。きっと米国に乗り込むにあたり戦闘態勢に自分を追い込む現れだったのかも知れない。ソーバージュと言っても髪の長さが足りず、ほぼサザエさんになった私は気合を入れてアメリカに向かった。
けれど子育てしていると長い髪は邪魔になるし米国にはよっぽどの大都市でない限り日本人が快適に「また来るわー」と言える美容院はないのでソーバージュは1年であっけなく卒業。
現在のドリー パートンも80年代のボーリュームMAXヘアーではなく今どきの落ち着きヘアーで活躍している。私もソバージュに別れを告げて久しく今どきヘアーでぼちぼちやっている。青春ヘアースタイル、笑っちゃいかん。あと数年したら一周まわって流行が来るかもしれないし何かの拍子に突如またイメチェンしたくなるかも知れない。
いいぞぉ、青春ヘアー!!!いいぞ 青春。その時は声高に「アート系してますっ」って言うんだ。