紫色は夜明けの色に似ていた。

9月29日、アフィリア・サーガのレイミー・ヘヴンリーさんの卒業ライブに行ってきた。
アイドルの卒業なんて珍しくもない時代だけど、加入を発表したステージから2年9ヶ月を見てきたアイドルさんの卒業となるとやっぱりすごく寂しいし、卒業ライブが終わった今もまだあんまり実感がない。

ライブは恋のWizard百年戦争から始まった。レイミーさんがアフィリア・サーガに加入してから初めてレコーディングとPV撮影に参加した曲。アフィリア・サーガのライブでは後半の最後の盛り上がりとして配置されることが多いこの曲を一曲目に出来るというのも、レイミーさん自身がセトリを考えた卒業ライブならでは。
何となく、恋のWizard百年戦争から始まるなら転校ガールで終わり、ネプテューヌ☆サガしてから始まるならNEXT STAGE!で終わりかなと思ってた。
結果として本編ラストは予想どおり転校ガールだったわけだけど、個人的にはやっぱりNEXT STAGE!も欲しかったかなぁと。ネプテューヌ☆サガしてが初めてのシングルだったレイミーさん的にもカップリング曲だったNEXT STAGE!は思い出深かったはず。でも振り付けのOCHI先生がライブ後の感想でNEXT STAGEという単語を使ってくれていて、補完された感じがしてよかった。

2曲目はヴィーナスと蒼き七つの海。この曲がテーマソングだったライブツアーでは、ルイズさんが喉を壊してしまったためにレイミーさんが代わりに頑張ってくれた部分も大きくて、そんな思い出も蘇る。曲中では煽りでも『レイミー、ありがとーう!』と言ったりして、卒業ライブ仕様で盛り上げていく。

ここで自己紹介タイム。13人での自己紹介は他のメンバーにとっても最後ということで、久しぶりに一人一人が自己紹介。レイミーさんは今回会場に作られていた出べその部分にどうぞどうぞと促されセンターで自己紹介。そのあとに自己紹介を控えていたアヤミさんの、このあとやるのか…という不安な気持ちの表情がちょっと面白かった。

3曲目は女神さまのポイントカード。『人生の分岐点』という歌詞があったことを思い出してハッとなる。この曲は大人数でステージ上でわちゃわちゃしているのが映える楽曲なので、レイミーさんもいる13人で最後にやっておいてよかったなと思った。

4曲目はメリディンの祈り。レイミーさんならアフィリアらしい曲をセトリに入れてくれる気はしていたので、ここでメリディンというのは嬉しかった。間奏でのメッセージもレイミーさん。今日は私の卒業ライブに遊びに来てくれてありがとうと、『遊びに』と言ってたのが良かったなぁと。

5曲目のネプテューヌ☆サガしてでは会場のテンションも一気に上がった感じがした。レイミーさんにとっての初シングル曲。曲間のセリフではミクさんが『これは…あなたへのささやかな気持ち』を『これは…レイミーへのささやかな気持ち』と言い替えるニクい演出も。

ここから6曲目にSURVIVE!!とさらに会場はヒートアップ。SURVIVE!!はアツさのある曲ながらシュクレさんの卒業ライブではセトリに入らなかったので、レイミーさんの卒業ライブで入ったのは良かったように思った。表情でも魅せられるこの楽曲は、ライブでのダンスをお芝居するように魅せられるように心がけてると言っていたレイミーさんの良さがよくわかる一曲でもある。

さらに続けて7曲目にはTriangle Wave。この曲では各メンバーがソロやペアになって歌うという、合唱スタイルのサーガには珍しい形に。これはライブの選曲の際に、シュクレさんの卒業ライブのときのようにレイミーさんがソロで歌ってメンバーがサポートする形にする?と提案されたレイミーさんが、それはやだと拒否して、アフィリア・サーガにはソロパートが無いからそういうのを今回やってみたいとレイミーさんがソロパートを振り分けてプロデュースしたらしい。アヤミさんが『大好きだよ大好きだよ』をレイミーさんに向けて歌ったりして、そのレイミーさんをびっくりさせてたのも良かった。
Triangle Waveはロゼさんミィナさんの卒業ライブでは二人で、シュクレさんの卒業ライブではソロで歌ってるのをメンバーがサポートして、今回レイミーさんの卒業ライブではレイミーさんプロデュースによるメンバーの歌い分けで、と卒業ライブごとに新しい見せ方でそれぞれのメンバーの色が出るのが本当に面白くなってる。これもアフィリア・サーガのメンバーの個性の強さのあらわれだと思う。

続いて8曲目にはレイミーさんソロによるFUTURE☆DAYS。美少女Mobageのモバミちゃんの楽曲で、昨年の東京ゲームショウではコスプレでの披露もあった一曲。歌ってもOKなら絶対やってほしいと思っていたこの曲が今回のライブで聴けて本当に嬉しかった。今回のライブで一番レイミーさんが緊張していたように感じたけど、その可愛さも曲の可愛さの演出になっていた。

曲終わりにはレイミーすごいと絶賛しながら出てきたユカフィンさんが、握手してください!と握手を求める。ルイズさんは腕を組んで『余裕で声優いけるわー』と、ちょっと上から目線だったといじられる。

ここからはもう後半戦ですと、9曲目にはSpark In My Heart~世界が終わるとしても~。先程の可愛い歌と振り付けから一転して激しいダンスと力強い歌声。この曲は特にレイミーさんの声やダンスの印象の強い一曲だったので、最後にレイミーさんの歌うこの曲が見られたのは良かったし、レイミーさんが抜けてからどうなるのかが不安でも楽しみでもある。FUTURE☆DAYS終わりでユカフィンさんが『これからも歌い続けてほしい』と言っていたけど、そこから『あした世界が終わるとしても きっと僕らは唄い続けてるよ』という歌に繋がったのはたぶん偶然とはいえ良く出来てるなと思った。

続いて10曲目にはS・M・L☆。このSpark In My Heart~世界が終わるとしても~からS・M・L☆は実はアルバムのRealismの曲順と同じ流れなので、自然に入ってきた感じがした。S・M・L☆には『愛の呪文を唱えよう それはあなたの名前』という部分があるけど、ここでレイミー!のコールが会場全体で揃えて出来てたら良かったなぁというのはヲタクとしてちょっと悔やまれるところ。

そして11曲目の放課後_ロマンス。冒頭の『レイミーには卒業してほしくない、アフィリア・サーガに大事な存在だから卒業してほしくない。でも道はどこかで繋がっていると信じてる』というルイズさんからの卒業してほしくないという本音のメッセージが珍しかった。

今日もレイミーさんの両親が観に来ているという話でいつもの『探さないでください!』の流れ。最後だからか手を振ってくれるお母様。そんなレイミーさんの両親は本当にアフィリア・サーガが大好きで家でもサーガのDVDが流れてるし、楽屋に来ればメンバーに会えて感激してるという良い話。そんなレイミーさんのお母さんがサーガの曲で一番好きだけど最近やってない曲を次にやりますとレイミーさん。『こんなにサーガの曲を愛してくれてるなんて嬉しいね。ルイズなんてこの前TANTEI☆ラプソディはハーツちゃんにあげようって言ってた』と言うユカフィンさん。これにはルイズさん大好きな自分でもふざけんなと思った。マホさんが『ハーツに歌ってもらってるからといってハーツの曲ではなくサーガの曲』と言ってくれたのは嬉しかった。

そんな流れから12曲目にレイミーさんのお母さんが大好きだという教育的指導!。先日のStand-Up! Heartsの一周年ライブでハーツの新曲として披露されたこの曲を久しぶりにアフィリア・サーガとして出来たのも卒業ライブでセトリを決められたおかげだし、やっぱりアフィリア・サーガの教育的指導!はとても楽しかった。上で見ていたハーツのメンバーにも、これから披露していくにあたって良い刺激になったんじゃないかと思う。

そして本編ラストとなる13曲目に転校ガール。一曲目がレイミーさん参加のアルバムArchismの一曲目である恋のWizard百年戦争、ラストがレイミーさん最後に参加のアルバムRealismの最後の入っている転校ガールというのはアフィリア・サーガのレイミーの歴史そのものをなぞったすごく美しい構成。この転校ガールでは『僕らの明日がどんなに遠く離れても あれこれしかじか省略 君の夢の全てが僕の夢になる』の部分をレイミーさんがソロで、そのあと歌の終わりで無音部分があってレイミーさんからの『私、アイドルになれて、アフィリア・サーガになれて、本当に幸せです!』というメッセージ、いつもはマホさんが務めているセンターポジションでのキメもレイミーさんが担当するスペシャル構成。そのレイミーさんの言葉を聞いた瞬間、目から涙が溢れたルイズさんが印象的だった。何を言うのかは知らなかったらしい。

曲終わりに、レイミーがアイドルになれてよかったって言ってくれて嬉しかったと泣きじゃくって言葉が続かないルイズさんに、どうしよう…と素直に困るユカフィンさん。転校ガールのダンス中にも号泣してるルイズさんを見てちょっと笑えてきていたらしい。そこからMCをまとめて話すユカフィンさんと、それをうんうんと涙をためてうなずきながら聞いてるレイミーさん。そこでルイズさんが裏に花束を取りに行って渡しに出てくるも、見事にタイミングを外して笑いが起こる。ルイズさん的にはあれは失敗した…と本気で悔やんでいたけれど、やっぱり笑顔で花束を渡せたほうがよかったので、あのときのルイズさんのルイズさんらしさが作った雰囲気が、いかにもアフィリア・サーガらしい卒業の演出になっていて良かったと思う。

ルイズさんが、レイミーがアイドルになれて良かったって言ってたのが嬉しかったと言ったように、『アフィリアの曲が大好きで、ライブが大好きだったから、毎週末のように色んなところでライブができて楽しかった』というレイミーさんの言葉は、今やアイドル活動というのがリリイベ中心の活動で本当にアイドルやってて楽しいのかなと疑問に感じることの多い自分にとってもすごく嬉しい言葉だった。

レイミーさんはアフィリア・サーガのメンバーのことを尊敬していて、円陣を組んだときにもレイミーさんが『この2年9ヶ月一緒に活動できて光栄だった』と言ったというのは、本当にこの子がアフィリアに、アフィリア・サーガに入ってくれて良かったなって素直に感動したし嬉しかった。レイミーさんは旧新メンバーは先輩メンバーへの敬意が足りないと叱っていたこともあったけど、それは自分自身が先輩メンバーを尊敬していたからだったんだなぁと改めて思う。

ここでそんなレイミーさんへのルイズ委員長からのありがたいお言葉。本当は放課後_ロマンスのときにもっといいこと言いたかったと悔やみつつ、『アフィリア・サーガとして活動してきたことは無駄じゃないし、楽しいことばかりじゃない色んな経験を一緒にしてきた私たちは仲間で、卒業してもアフィリア・サーガの一員だし、声優の紫乃れいみとして共演できると信じて私たちはこれからもレイミーのことを応援してる』と、途中でまとまらないなと詰まりながらもしっかり伝えたところはさすがだった。

ルイズさんがいいこと言ったところでそこまでルイズさんのぶんもしっかりMCを引っ張っていたユカフィンさんが逆に涙を溢れさせたのも良いコンビだなぁと思う。このときユカフィンさんが言った『もうやだぁ』は、泣いちゃってイヤだねじゃなく、辞めちゃうのがイヤだでもなく、もう見送るのイヤだの『やだ』だった感じがした。

昨日の女塾を一緒に観に行ったときにレイミーさんが楽しそうに見てるのを見て切なくなったユカフィンさんが、泣いてこようと外に出たらレイミーさんがついてきてジュース買ってくれたというほっこりエピソードと共に、涙と鼻水をルイズさんのマントで拭いて会場を笑いに包むユカフィンさん。

ここでレイミーさんが本当はセトリに入れたかったけど、なぜかメンバーからもプロデューサーからもNGが出てダメだった曲を、実はサプライズで歌いますという流れで、4thワンマンライブで新メンバーとして登場したレイミーさんのステージデビュー曲だったMy White Ribbon。レイミーさんが本当は最後にこの曲を歌いたくて踊らなくてもいいから歌いたいと頼んだのにダメだったのは実はこの流れが決まっていたからだったというネタばらしに、最後に歌えたことが『すごく幸せです』と涙ながらに喜んでたレイミーさんが可愛かった。

アフィリア・サーガは私が一番大好きで一番応援してるグループだから、自分が辞めても今まで以上に応援してほしいし、自分もいつか共演できるように頑張りますと改めてレイミーさんからの挨拶があって本編は終了。

そこからアンコール。舞台での活躍もあったレイミーさんの卒業ライブでアンコールがあったというのは嬉しさもひとしおで良かったと思う。
当初アンコールをやる予定はなかったけど、もしアンコールの声があったら何かやろうという話で、踊る?踊らない?でも今のフォーメーションは最後だからやっぱり踊りたい!とレイミーさんが一番大好きな曲でS・M・L☆。メンバーも今までで一番楽しかったねと言う本当に楽しいS・M・L☆だった。

終演後の握手会でもレイミーさんは『またね!』とたくさん言ってくれたし、紫乃れいみとしてなのか、アフィリア・サーガとの共演なのか、どちらにしてもその機会が早く訪れたらいいなと思う。

今回の卒業ライブでTシャツが出るんだよという話を聞いたとき、この先に私が何かのイベントに出ることになったとき、このTシャツを着ていれば最古参が名乗れるから、そういうものになったらいいなとレイミーさんが話してたけど、そのTシャツに、私の新しい夢は声優になること、そしてもうひとつの夢はアフィリア・サーガと共演すること、としっかり書いてあるのは胸がアツくなった(胸プリントだけに)。

卒業ライブというだけでなく、アフィリア・サーガのライブとして本当に良いライブだったし、別に卒業ライブじゃなくてもメンバーのプロデュース公演として、メンバーがセトリを考えたり限定グッズを出すようなライブをもっとやっていってもいいんじゃないかと思った。レイミーさんが抜けてからのライブ、もっともっと新しいことやっていけたらいいなって思いました。

加入したワンマンライブからいきなり個別握手だし、そのあとはすぐにメドレー曲も覚えたり、新メンバーなのに告知についてもしっかり覚えて頭に入れてたり、アルバム発売のキャンペーンでも(アルバムなのに)個別握手が中心だし、どれだけ早くダンスを覚えて頑張ってもそんなに握手に並んでもらえるわけじゃないし、そのすぐあとに加入したレイナさんもだけど正直本当に大変だったろうしツラい時期もあったと思うけど、それでも、レイミーさんがアイドルになって良かったと言ってくれて本当に嬉しかった。ありがとうございました。お疲れさまでした。

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