気の向くまま読書note 水上バス浅草行き
短歌が好きです。
美しい流れるような旋律のリズムに身を任せるように
頭は使わなず 思考は脇に置いて
心をすべらせるように 感性で読むもの 味わうもの。
詩や短歌はそんなイメージがあります。
今の世の中、なんでも意味や答えを求めがち。
一見よくわからないもの、意味がないものは価値がない?
否、
意味を求めずただ言葉の世界に漂う
ただ味わう それはとても贅沢な 豊かなものだと思うのです。
美しい言葉 みずみずしい感性
岡本真帆さんの短歌はTwitterで拝見したのが最初かな。
犬に関する短歌。
我が家にも犬がいるので 深く沁みるものがありました。
犬を想う気持ち ぬくもり 黒豆みたいなつぶらな目。
今はもうここにはいないであろう、そのいとおしい子が
手を伸ばせばすぐ抱きしめられる 本当にすぐそばにいるような
そんな気がしました
思い出の中には距離がない
言葉の中にも距離はない
そんな思いを想起させる 真帆さんのリズムに沿って奏でられる
言葉の羅列に
ただただ 自分の中の感受性が水を含むように
うるおうのを感じました。
言葉ってすごいなあ。
短歌に触れると心からそう思います。
恋や日常やふとしたことに
日々のありふれたことに日をあてて
言葉でリズムで彩りを持たせる
一見ドラマチックでなくても
日常にははっとするような 心に触れるようなことが
実はとてもあふれているんだよ
人生ってそういうものなんだよ
ごくごく小さなあたりまえ
小さな嬉しいことを積み重ねて
悲しいことがっかりすることを少しばかり塗り替えて
そうして毎日は過ぎ去っていく
生きているってその積み重ね
真帆さんの短歌を読むと その手のひらに
そっと日常を包み込んで
やさしく命を吹き込むように
言葉をリズムの中で紡いでいく
日常への慈しみを感じます。
日常のいろんなことに命を吹き込むのは自分次第
わたしも真帆さんの言葉に触れ、感性の泉にふくふくと浸りながら
自分の何気ない日常こそがもっともっといとおしく
感じられるのです。