祖父の死
1月27日、祖父が急逝した。
亡くなるその日も普通にごはんを食べ、大好きな練乳かけたいちごも食べ、孫やひ孫としゃべって笑って。
おやすみ、また明日ね〜って寝室に入っていった。
本当にありふれた、いつも通りの一日で、普段どおり明日を迎えるはずだった。と思う。
突然胸の苦しさを訴え、同居しているわたしの妹が気づいて急いで救急車を呼んだけど、救急車の中ですでに心肺停止だったみたい。
死因は老衰。苦しかったのはほんの数十分。
それほど苦しまず、死ぬ間際までいつも通り過ごして、孫やひ孫に囲まれお世話してもらって。まさにピンピンコロリ。
何より一番の祖父の望みだった「最期まで住み慣れた家で過ごしたい」という願いも叶った。
みんなが口々に「自分もそういう亡くなり方がしたい」「おじいちゃんは幸せ者だね」
そう言うよ。
でもでも、あまりにも突然のことで整理がつかないんだ
また顔出すからね、あさってちゃんとデイサービス行くんだよ
またにゅうめん作ってあげるからね
風邪引かないでね
そう話していたのにあの日からときが止まったみたいだよ
でも、数日前に柿渋染めのエプロンが届いたんだ
ずいぶん前にオーダーしたもの
着てみたらまだごわごわしてすこし居心地わるそうで
なじむのに少し時間がかかりそう
やわらかくなって肌になじんだらたいそうすてきだろうな
色落ちやあせた感じもすごくよさそうだ
毎日身につけて変化してなじませていかないとね
毎日このエプロンを育てていこう
そう思ったら、やっぱり毎日は過ぎていて
わたしは日々確実に新しいときを刻み続けてるんだ
そう思ったよ
※写真は祖父の90歳の誕生日のときのものです
最愛の、大好きな大好きなおじいちゃんでした
わたしがこの世から旅立つ時がきたら、どうか迎えにきてね