【はなまめと本】『いいとしを』オカヤイヅミ
ʕ ・ω・ )はなまめのひとことふたこと。
ʕ ・ω・ )こんにちは。はなまめです。
今日の一冊は、
オカヤイヅミさんの『いいとしを』です。
読み切りです。
主人公(42)とそのお父さま(72)の実家一軒家2人暮らしのお話です。
主人公の灰田さんが実家での暮らしに戻るところから始まります。
歳を取るってどういうことだろうってことを灰田さんはずっと考えている感じがしました。お父さまと一緒に暮らすということは、歳を取ることで起こる身体的な流れを目の前で見るということで、その人の歴史をなんとなく思う日常は、自分の中の時間の流れもじっくり眺める機会になるのだな、と思いました。ゆったりしたいい映画を一本観た後みたいな気持ちになりました。
_φ(・_・ヨシコンヌ読本記
年齢や性別にまとわりつく呪いがうっすらある中を、揺蕩う日常が心地よいお話。紙の本で買ったのは、連日続くオンライン仕事生活の中で目が、頭が、すっかりやられてしまって、どうしても紙でしか本を読めない期間がやってきたからです。そして、この本は本の重さも大きさも読み応えも欲しかった感じにぴったりで嬉しかった。オカヤイヅミさんのデビュー10周年記念作品2冊同時発売だったので、もう一冊も買いました。(それについては明日書きます。)
コロナ期間に入るところも描かれている作品で、そんな中での中年老年男性たちの二人暮らしは気怠いような新しいような不思議な感覚で、人生を見つめ直す時間は誰もに与えられているな、と思いました。最後にお父さんの方が突然に颯爽と思い切った行動をするシーンに気持ちの良い風を感じます。
やりたいことのきらめきをコロナの中でも逃さず捉えられることがこれから先も必要と思える瞬間を観ました。
ところで、定期的に紙でしか本を読めない期間がやってくるのですが、若い人はそんな期間ないのだろうか…。
▼オカヤイヅミさんのHP▼
▼オカヤイヅミさんのTwitter▼