【YOHAKU】“軽んじられる”と向き合う女の子の話【前編】
好きなファッション、好きな時間を楽しんでいるだけなのに、偏見の目で見られる。
自分を知らないはずの人から、"遊んでる"女の子 とレッテルを貼られる。
自分の”好き”を変える必要はないはず。
だから変えない、やめない。
でも……。
こんにちは、YOHAKUです。
今回は、露出の多いファッションや、いわゆる"夜遊び"が好きという、
とある女子大学生のお話を聞かせてもらいました。
前編・後編、2記事続けてお届けします。
前編では、世間から受けるレッテルと、自分の"好き"の狭間で生じてしまっている生きづらさを取り上げます。
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露出の多いファッションが好き、夜お酒飲んで楽しむことが好き。
ー好きなファッションについて、教えてください。
夏は基本ホットパンツにキャミソールとか、せっかく夏やし肌を露出したくて。
身体のラインが出るタイトな服もかっこよくて好き。
そういうファッションを可愛いなって思うから、好んで着てるのね。
髪の毛はずっとコロコロ色変えてて、今は毛先明るくしてるかな。
ピアスは好きだから、いっぱい開けてます。
ーよく一緒にいる人や、普段の様子はどんな感じですか?楽しいところを教えてください。
私も、私の友達も、お酒飲んだり、バーとかクラブとか行ってパーって遊ぶのが好きな人間が多い。
お酒は好きやからいっぱい飲むと楽しいし、気分が上がってきたら音楽聴いて踊りたいなって、クラブに行ったりする。
初対面の男性、第一声が「エロいやん」
ーいわゆるそういう夜の場で、嫌だったことを教えてください。
特にその、セクシーな格好とかしてたら、
(初対面の男性から)いきなり「おう、エロいやん」って声かけられる。
そんな“エロい格好”してるから、相手してくれて当然と思ってるんやんな。
嫌やから話さんかったら、「え?なんなん?無視?」とか言ってくる。
ーそれはちょっと……。いわゆるそういう場以外でも、自分のファッションに対しての偏見みたいなものを感じたことありますか?
そうだなあ。私、長い棒の軟骨ピアスが開いてるのね。
居酒屋でバイトしてたときの話なんやけど、私が洗い物してる時に突然耳を引っ張られて、
「めっちゃピアス空いてるやん」って言われたことある。
ピアス沢山あいてるんだねって、話持ってくなら分かるけど……、
いきなり耳掴まれたからなぁ。
おじさんってやっぱ、若い女の子のことおもちゃみたいなもんやと思ってるなって。
歩いているだけで、声に出して”評価”される
ー最近困っていることや許せないこと、教えてください。
こういう露出したファッションで一番困るのって、
クラブとかじゃなくて、街歩いてるときとかなのよ。
こんな格好してるから、それこそ男の人は「声かけてもいい」って思ってるんじゃないかなぁ。
視線とかもさ、不快な見方っていうか、
「うわ、あの女の子たちエッロ」とかを口に出して言ってくる。
だから、集団で男の人たちがいると、横通るときめっちゃ嫌になるのよ。
歩いてるだけで「背中めっちゃ出てるやん」とか「お、脚ええ感じ」とか言われるから。
めっちゃ腹立つ。
歩いてるだけでいちいち評価してくる男っているやん、その評価される数が圧倒的に増えるよね。
ナンパとかやったらさ、「今時間ありますか」って聞いてきたりするけど。
そんなんじゃなくて急に最初から肩組んできて「どこいくん?」って馴れ馴れしく声をかけてくるから、やっぱり見た目の印象で、軽く思われてるんやなって。
「クラブばっかり行ってるし、男とそんなことばっかりしてるんやろ」
ー”夜に遊んでいる”ことについてなにか言われたりもしますか?
大学の喋ったこともないような全然知らない男の子に、
(Instagramのストーリーへの投稿に対して、)
クラブばっかり行ってるし「男と“そんなこと“ばっかりしてるんやろ」って急に言われたことがあるねん。
私は、髪もいろんな色にしてて、ピアスもいっぱい開いてて、服もこんなんで。
知り合ってインスタの投稿を見れば、私が夜いっぱい遊んでるような投稿が見えるから、最初に受ける印象ってやっぱりそういうので。
こんなふうに「男とめっちゃヤッてるんやろ」みたいなことを、誰にでも言われるかな。
まぁ実際夜に遊んでる子の中に、そういう子は多い。
けどそれがダメなことではないやんか。
いろんな男の人と夜に活発に遊んだりするって。
やけどそういう女の子「あいつ尻軽やな」とか言われるから。
社会は遊んでる女の子に厳しいのに、男の人には遊んでる=俺もOKって思われる。
性に開放的になることって別に間違ってないし。
いいやん、“お互いに同意してれば“誰かに責められる必要はないし、誰かへのOKはみんなへのOKじゃないのに。
男の子は経験人数で勝負するのに、女の子が遊んでることは世間的に良くないらしいから「アイツは軽い女だ」とか、喋ったこともないのに言われたりする。
私のこと何も知らんのにな。
そういう失礼なこと言っても良いと思ってるんやな。
ーそれでも、自分のファッションや遊びは続けますか?
自分の着たい服を着て、好きなことをするのをやめたくない。
失礼なこと言われるのは嫌やけど、別に私が夜踊りに行くのが間違ってるとは思わんし。
「そんなんしてんねんから(軽い女だと言われても)しゃーないやん」
「そう思われても当然」
みたいな価値観は確かにあるやん。
でも、そうではないと思うのね。
世間的にそう思われるのも知ってるけど、
私は飲みに行ってもいいし、
男目的でもそうじゃなくても飲みの場に行ってもいいと思うし、
それは誰にも、何も、言われることじゃないと思う。
「遊んでたら、その子はみんなが軽んじていい存在」
それはちゃうと思う。
これはよく言ってる話なんやけど、
自分がもし今このキャミソールとか、肌を露出した格好で性犯罪とかにあっても、「お前がそんな格好してるからやん」「夜出歩いてるからやん」ってまぁほとんどの人に言われるやろうなって。
でも、それはちゃうと思う。私はお洒落して遊んでるだけで、性犯罪OKサインとか出してないもん。
だからって長袖長ズボンで歩こうとか、露出の多い格好しないでおこうとは自分はどうしても思えんから、私は飲みにも行くし、夜にも歩いてるけど。
そういう風に思われんかったらいいのにな。
だって私これ着たいもん。
めっちゃ見られたりするけど、女の人にもはしたないとか、そんな娼婦みたいな格好して、とか言われるけど、自分の選択で服着てるから。
でも、“遊んでたら、その子はみんなが軽んじていい存在“かな?
そんなんじゃないと思う。
後編に続く
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今回は、自分の"好き"を楽しめない大学生にお話を聞かせてもらいました。
軸を持って、この問題と自分の言葉で向き合う、とても素敵な方でした。
日常生活で、外見や印象で内面までつい判断してしまうことは、誰にだってあります。
でもその行為が、誰かの生きづらさをつくってしまうのかもしれません。
優しい想像力の"余白" で、一歩立ち止まって。
今回の記事が、一つのきっかけになれば幸いです。
自分にも言い聞かせながら……。
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さて、後編では夜のお酒の場で、特に若い女性が "軽んじられる" 、
そして、なぜかそれが当たり前になってしまっている雰囲気について取り上げます。
この女子大生は、最近夜遊ぶことに対して前と同じようには楽しめなくなってしまったと言います。
それはなぜでしょうか?
男女関係なく無関心ではいられない、
"優しくない"社会を、見つめ直すきっかけをくれるお話です。
ぜひお読みください。
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YOHAKUは、誰もがそっと抱えているけれど、他者から見えづらい事情にスポットを当てて、それが読んだ人の優しい想像力の余白となることを目指しています。
「最近こんなことに悩んでいる」
「なかなかわかってもらえないけれど、自分の事情を説明できたなら」
「こんな人もいるって知ってほしい」
こんな気持ちを抱える方がいれば、是非インタビューさせてください。
noteのコメント、InstagramやTwitterのリプやDMなどで受け付けています。
植木凜・小林華
文責:植木凜