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将来なりたかったもの(仕事)ってやつ

小学生の頃、なりたいものは? と聞かれて、会社員か外交官と答えていた私、中身的にはわりと願いはかなってると思うんですが、まぁ、なんて夢のない子供だったんでしょうか。
ちなみに、小学校低学年の時、将来なりたいもの の欄に女子がこぞって”お嫁さん”って書いていたのを見て、「お嫁さんって、なりたいものとかじゃねーだろ? 結婚したら、アホでもクソでも自動的に嫁になるんだから」と先生にむかって言い放ち、親が学校に呼ばれました。
私の幼少の頃は、将来なりたいものって聞かれたら、お嫁さんって言う女の子、多かったんで、まぁ、全部敵にまわしたと言っても過言ではない。

人間十数年やった程度で、将来何になりたいか考えろって言われても、そうそうわかったもんじゃない。
藤井聡太くらいの才能があって、しかもその才能の方向と自分の嗜好/志向があてはまってるなんて、それこそ選ばれた天才にしかない道。
才能があっても、それが好きとは限らないし、逆に特別な才はなくとも、好きが高じて驀進しすぎてその道を究めるというのもある。
なかなか難しい。
そういうのって、勉強で成績がいいってだけでは道はまったく開かないので、さらに難しい。

って事で、けっこういい歳になってから、あー、こういう仕事につきたかった……みたいなのに気づく事は多々あります。
私の場合、最初にそれ思ったのは、牧場で馬の世話する人。
お金がかかりすぎる趣味なので、乗馬を始めたのは社会人になってから。
あまりに馬が好きすぎて、次の人生は馬牧場で働く人になるって思いました。
もうちょっと早くそれがわかっていたら、たぶんガチでその仕事、ついていたと思います。
その後、細かい手仕事がかなり好きと気づいたあたりで、「クレールの刺繍」という映画を見まして。
電撃受けたみたいに、これ! 私のやりたかったのはこれ! となり、ガチでいろいろ調べたら、専門学校がフランスにある事が判明。
しかし、金はがんばれば貯められるが、専門的な授業をフランス語で受けられるほどに上達するのは到底無理……となり挫折。
大学で第二言語フランス語選択してたんで、おのれの無理度数、身の程知る程度にはわかっておりまして。ましてや英語ですらまだまだってレベルで、フランス語まで脳みそ余力ない。
これについてはその後、某ハイブランドで体験で刺繍をやらせていただく機会があり、数時間ではありますが至福の時間を過ごしました。
ついでに、その時の先生があこがれの刺繍の専門学校を卒業されていた方だったので、アホかと思うほど質問攻めにして(先生ごめん)、いろいろお話を聞かせていただきました。
次の人生は、パリのメゾンで刺繍職人になります。

でもまぁ、好きな事って仕事にしなくてもよい。
逆に、仕事になるとは思っていなかったけど、好きすぎてのめりこんでいたら仕事になっちゃったというものもあります。
とある会社で普通に会社員やられていた方が、趣味で魚拓つくっていたらとにかく腕がよく、請われていろいろ副業でやっているうちに、そっちの方が収入がよくなったので専業になったという話を身近で聞いた事があるります。
とあるものの腕は一級だけど、そっちだけでは食っていかれないから、とりあえず会社員してるという方もいらっしゃったり。

オタクなみなさんは概ね知っておられるとは思いますが、コミケなんかいくと、市井の普通の人の中には、とんでもない才能や知識を持った人がさらっといたりします。
じゃあ、そういう人達がそれを仕事にしているかっていうと、そういうわけでもない。
昔私、プロのカメラマンについて写真を勉強していた時期がありました。
じゃあそれを仕事にするか? という選択をする事になった際、先生だった人ではなく、そこで働いていた別のカメラマンの方から言われました。
「君ならプロになれるだろう。でも、この道で食って行かれる人はごくわずかだし、プロになれば、好きな写真だけ撮ればいいってわけじゃなくなる。それでもがんばれるかどうか、一度しっかり考えて決意したほうがいいよ」
根性なしな私は、あっさりその道をあきらめましたけれども、だ。
仕事はビジネスなんで、好きなだけでは出来ないし、切り捨てなければならないものもたくさん出てきます。お金にならなきゃ、生きていけないし。
もちろん、好きだからこそそんなのひっくるめて全部ウェルカム! すべてを乗り越えられる原動力になることもあるけれど、果たして自分はそれに対してどう在る事ができるか、考える必要はあるなと思っていたり。

最近のお子様たち、Youtuber とか投資家とか、一見、好きな事やって手軽に稼げるお仕事に見えるものに将来なりたいって言ってる感じですが、大人から見ると、もちろん、そんな簡単なものじゃねーよ、です。
個人的には、小学生だったらそれこそ、ドラえもん作る人になるだの、アイドルになるだの、宇宙飛行士だの、それくらい夢のある事言ってほしいし、中学生や高校生だったら、ガチ、がんばればその仕事につけるかもしれないよ?ってくらいの夢、みてほしいけど、まぁ、当時の自分考えると、将来の事なんてイスカンダルより遠かったから、たいした事は考えてなかった。
ただまぁ、好きな事があるっていうのは良い事で、名声とか人気とか、どれだけ人から注目されるかとか関係ないものを自分の中に持つのは大事と思っています。
なんか、世の中、人から注目あびてなんぼ、ナニモノかになってなんぼ、みたいな傾向ありますが、ちゃんとした大人ならみんな知ってる。
ガチ本物は、見えないところにひっそりといて、しかも、すさまじい威力を持って存在しておられます。
彼ら、注目を浴びるとかいう、そんな意義も価値もない部分にまったく頓着しておりませんで。まぁ、いちばん無駄な部分だもんね。

アメリカ在住の友達の子供が小学生の頃、勉強しない言い訳を「Youtuberか投資家になる」って言ってそうですが、おかーさんな友達、「まだ自分の銀行口座も持ってないのに、何が投資家だよ!」って言ってて大笑いしたことがあります。
個人的には、子供の頃から投資をするのは良い事だと思っていて(もちろん親が管理する範囲で)、投資をやろうとすると、世の中のいろんなものが見えてくるし、知る事もできる。
政治や歴史、文化、いろんな企業や仕事の事、今何が研究や開発されていて、将来何が必要とされるか、どんな企業が何をしているのかなどなど。
でもまぁ、実際やってる子供は身近にはおりません。
あと、プロゲーマーになるとか、Youtuberになるって言って、とりあえずやってみる、がんばってみるって子もいない。
それとは逆に、コミケで好きなアニメの二次創作をやっている作家さんの本を見て感動し、初めて作ったという冊子をその作家さんに届けた中学生の女の子を現場で見た事があります。
ホッチキスと止めたその世界にひとつしかない同人誌、同人作家さんは感激しておられました。
そしてその女の子は、「自分でお話考えるのって、実際やってみるとものすごく大変だった。でも、とっても楽しかった。いつかコミケにサークル参加したい」と言ってました。
好きな事は原動力になります。
将来なりたいものって、小さなものでも、その原動力をどこかに持つ事はとても大事で、大きな学びと指針を持つ事になるなと思います。
実際、将来それになれなかったとしても、ならなかったとしても、それは絶対にその人にとって何かの柱になってるはず。

あと、あくまでも個人的な見解ですが、子供の頃にとってなりたいって思っていたもの、わりと叶うと思います。







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