第146話 父の一周忌での思い 1
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2016年7月23日
父の一周忌がきました。
父は小さな鉄工所を経営していました。
私がかなり体調が悪くなる小学生の頃まで、日曜日には畑仕事までしていました。私に家族に良い野菜をと考えてのことでしょう。
(私は膀胱尿管逆流症で生まれて、15歳から人工透析導入になっています)
・下仁田ネギ
・スイカ
・キウイ
・じゃがいも
・茄子
・人参
・かぼちゃ
・みかん
・柿
・トマト
・きゅうり
今から思えば何でも美味しく作る鉄人でした。
保育園の頃には亡くなっていた祖父は専業農家だったのか、父は野菜や果物の実らせ方をよく知っていました。
そうそう、おやつにサトウキビを食べた事もあった!あとは野菜を傍の用水路で冷やして食べました。
そんな父は煙草は吸っていましたが、お酒は付き合い程度で普段は飲みませんし、賭け事もしてません。私の思春期の頃に離婚問題があり、離婚したい父としたくない母に板挟みになりましたが、弁護士さんと私を味方にできず諦めたようでした。
浮気に走った訳ではなく、10万円の使途不明金が発端だったようです。
しっかりと家族想いなんですね。
それに私が病気で金食い虫だったから。
そんな父の鉄工所経営が左前に陥った時がきました。(左前とは、倒産)
父は電話帳をめくり他の鉄工所へ電話をかけ続け、仕事を回してもらえないか頼んでいました。
その会もなく仕事はできなくなりました。
ちょうどその頃に、私への生体腎移植を仕事が休めないと断った経緯もありました(母はお金が無いと断りました)。仕事ができなくなった父は、仏間で般若心経を母と一緒に朝から晩まで声を出し、狂ったように読み続けたのです。
それから父と母は頭に勝手に聞こえてくる声を信じ、行動がおかしくなりました。
髪を切りに床屋へ行かなくなり、ロン毛に。車を運転し高校生の妹が帰宅するのを道で待ち伏せ。完全に不審者です。兄も私も妹も知らん振りです。気持ち悪さの局地です。
短大に進学した妹は、途中で授業料が払えなくなり奨学金制度を利用しましたが、両親が利息の金額にびっくりし、妹の貯金を切り崩すことに。
父は居間の炬燵(こたつ)から殆ど出なくなり、目が見にくくなり車の運転もしなくなり、やがて失明。
私「病院行こうよ。」
父「明日には治る。」
一点張りで手に負えませんでした。
親戚が苦労をし精神科のベッドを確保・救急車を手配してくれましたが、それでも頑なです。
私は21歳からクローン病を発症しており、救急車の時にストレスで悪化し、絶食治療入院中でした。(クローン病とは、食べ物が通過する口から肛門までの何処かで、炎症が起こる難病)
母でさえも父を動かすことは出来ませんでした。
統合失調症だったのか?
病院に行かなかったから、分からずじまいだね。
心配だけが募ったね。
自分を保つだけで子供は精一杯だったよね。
母は正確な判断もできなくなってた。
2人とも独語。
全く頼れなかったね。
(独語とは、独り言)
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