40歳過ぎの赤いシミは「皮膚がん」かも
◆なぜ、「がん」は怖いのか
「怖い病気は?」の質問に、「がん」と答える人は多いでしょう。
なぜ、がんは怖いのでしょうか。
命を落とす病気だからでしょう。
がんの特徴は、早期は自覚がないことです。
がんのでき始めは痛くもかゆくもありません。
もし、がん細胞が一つできたとき、耐えがたい激痛があれば、
がんで命を落とす人はありません。
早期に完治できるからです。
痛みを感じたときは、進行していることが多いので、がんは怖いのです。
◆最も早く発見できる「がん」は?
2人に1人が「がん」になり、3人に1人が「がん」で亡くなる昨今です。
歎異抄には、人生を「火宅無常の世界」と言われています。
「火宅」とは、火のついた家のことです。
「無常」とは、常が無い、はかないということです。
人生は、火がついた家に住んでいるように、不安定で、はかないのものだということです。
だからこそ、「がん」の早期発見が重要課題になってきます。
見つけるのが難しいがんの代表が「膵臓がん」です。
膵臓はお腹の奥深くに位置するため、見つけるのが至難の業だからです。
反対に、最も見つけやすいがんは?
体の表面にできる「皮膚がん」でしょう。
胃がんを見つけるには、年に1回胃カメラ検査をしなければなりませんが、皮膚は、毎日、見ることができます。
特に、顔にできる皮膚がんは、100%早期発見できるでしょう。
◆顔にできる皮膚がん、日光角化症
「日光角化症」という病気があります。
顔や手の甲など、日光に当たる皮膚にできる「前がん病変」
もしくは「上皮内がん」です。
「前がん病変」とは、がんの一歩手前ということです。
「上皮内がん」とは、表皮にとどまっている「がん」のことです。
「日光角化症」は、「超早期がん」と言っていいでしょう。
◆40歳過ぎの、赤いシミは要注意
日光角化症は、1000人いたら、1年で1人はなるという、
頻度の高い病気です。
早い人は40代でなります。
頬や目の外側に、1㎝くらいの少し赤みのあるシミのようなものができるのが始まりです。
この段階で見つければ、99.9%、なんとかなります。
放っておくと、何年もかけて少しずつ大きくなり、盛り上がってきます。
赤いシミが2カ月たっても消えなければ、皮膚科を受診しましょう。
参考文献
1)錦織千佳子:「紫外線発癌の機序とその予防(前編)」,日本医事新報 (4595): 67-70, 2012
2)志水陽介:「日光角化症」,治療 99(8): 1044-1045, 2017
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?