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〔汗の悩み〕中学生は手の汗 大学・社会人はわきや顔・頭の汗
◆8人に1人が多汗
5~64歳を対象とした汗の調査によると、
12.8%、実に8人に1人は汗が出すぎて悩んでいます。
どの部分の汗で困っているのかというと、
わき(6%)、
手のひら(5%)、
顔・頭(5%)、
足の裏(3%)でした。
予想以上に多いという印象です。
いつ頃から自覚するようになったのかというと、
手のひらは14歳、
足の裏は16歳、
わきは20歳、
頭・顔は21歳
の発症が多いです。
汗が多いと、どんなことで困るのでしょうか。
◆多汗の悩み
〔わきの汗〕
・服が汗でぬれて目立つ。服が黄ばむ。
・ニオイが気になる。
・手が上げれない。
〔手の汗〕
・ノートやテストの答案が汗でふやける。
・スマホやパソコン作業に支障が出る。
・握手ができない。
〔顔・頭〕
・ハンカチが手放せない。
・人と会いたくない。
仕事の効率が半分に落ちるというデータもあり、
人には分からない苦しみを抱えていることでしょう。
この苦しみから逃れることができるなら、どんな代償を払ってもいい、
と深刻なケースもあります。
「溺れる者はワラをもつかむ」
と言われますが、とんでもないものや、
コスパの悪いものをつかんでは大変です。
◆まずは塩化アルミニウム
多汗の治療のファーストチョイス(第一選択)は、
塩化アルミニウムでしょう。
汗と塩化アルミニウムが化学反応を起こし、
汗が出る管にふたをしてくれるのがその仕組みです。
まれに、ぬったところが赤くなりますが、大きな副作用はありません。
市販の制汗剤で、「塩化アルミニウム」や「クロルヒドロキシアルミニウム」を含んだものを試してみるとよいでしょう。
市販では13%の濃度が最高なので、顔やわきには効いても、
手のひらや足の裏には効果がないかもしれません。
病院やクリニックでは、20%やそれ以上の濃度の塩化アルミニウムを扱っているところがあるため、皮膚科の門をたたいてみましょう。
塩化アルミニウムは、院内製剤といって、院内で作る「自家製の薬」であるため、すべての皮膚科で扱っているわけではありません。
電話で確認すると教えてくれるかもしれません。
◆効果が無ければ手袋
濃度20%以上の塩化アルミニウムの使い方は、
寝る前にぬって朝は洗い落とすのが基本です。
高濃度でも手のひらや足の裏には効果が不十分のことがあります。
その場合、ぬったあと手袋をすると効果が倍増します。
寝る前に手のひらにぬって、綿の手袋をして休みましょう。
足の裏の場合は、靴下を履いて寝ましょう。
それでも効果がない場合、手はビニル手袋をする、
足はサランラップをまくと効果的です。
この場合、2時間したら取り外しましょう。
参考文献
1)藤本智子:「多汗症治療の実際」,MB Derma. 309: 53-59, 2021.