手袋は、ビニル手袋かニトリル手袋のパウダーフリー
◆手袋による皮膚トラブル
使い捨て手袋の使用は、医療従事者や調理する人に限られていましたが、
新型コロナの影響で、手袋をする人が増えてきました。
それにともない、手袋による皮膚トラブルも増えてくるでしょう。
どんな手袋を選べばよいのでしょうか。
◆手袋の種類
使い捨て手袋は4種類あります。
安価な順に並べてみましょう。
①ポリエチレン手袋
ペラペラの薄い手袋です。
ぶかぶかで手にフィットしないため、細かい作業には向きません。
②ビニル手袋(プラスチック手袋)
材質はポリ塩化ビニルです。
ポリエチレン手袋に比べて手にフィットするため、細かい作業もできます。
③ラテックス手袋
ラテックスとは天然ゴムのことです。
ビニル手袋よりもさらに手にフィットします。
ラテックスアレルギーを起こすことがあり、お勧めできません。
④ニトリル手袋
ニトリルとは合成ゴムのことです。
手にフィットし、アレルギーも起こしにくいため、お勧めです。
◆粉付と粉なし(パウダーフリー)
手袋をするときの滑りを良くするために、手袋の内側に粉が付いているものがあります。
手袋を外した時、粉が舞い、それを吸い込んでアレルギーを起こすことがあります。
粉なし(パウダーフリー)がお勧めです。
◆ラテックスアレルギー
一昔前、ラテックス手袋によるアレルギーが問題になりました。
ラテックスとは、ゴムの木から採取される白い樹液であり、
ゴム手袋の原料です。
ラテックスは分子が大きく、通常、皮膚から侵入できません。
ところが、アトピー性皮膚炎や手荒れの人の皮膚は、
バリアの働きが弱いため、ラテックス分子の侵入を許してしまいます。
皮膚のランゲルハンス細胞という外敵を監視している細胞がラテックスを見つけ、それが度重なるとラテックスを外敵と判断します。
これを感作といいます。
感作されたあと、ラテックスの手袋をすると手が赤くなったり、
かゆくなったりします。
ひど場合、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、のどのかゆみ、腹痛、下痢、呼吸困難を起こすこともあります。
手袋についているパウダーを吸い込んで、
同様の症状を起こすこともあります。
医療現場では、ラテックス手袋が使われなくなり、
ラテックスアレルギーは激減しました。
手袋はビニル手袋かニトリル手袋のパウダーフリーがお勧めです。
参考文献
永井晶代、松永佳代子:「経皮感作モデルとしてのラテックスアレルギー」,MB Derma. 245: 12-20, 2016.
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