緊張したときの汗には、飲み薬が効くかも
◆2種類の汗
応援している野球チームが1点差でリードされている。
9回裏、2アウト満塁。
バッターは4番、一発逆転サヨナラの大チャンス。
手に汗をにぎる名場面です。
こんなとき、文字通り、手から汗が出ます。
手だけでなく、頭、顔、背中、わきからもでしょう。
緊張したときや、集中したときに汗をかくことを「精神性発汗」と言います。
これに対して、暑い時にかく通常の汗を「温熱性発汗」と言います。
◆手に汗をにぎる前の飲み薬
汗の悩みでも、テストのとき、大事な人と面談しているときに多量の汗が出る「精神性発汗」には、飲み薬が有効かもしれません。
抗コリン薬と言われ、いくつかの薬がありますが、
トフィソパム(商品名:グランダキシン)が有名であり、
副作用も少なく安全です。
飲んで1時間もすると効果が表れますが、
4~5時間すると効き目が切れてしまいます。
手に汗をにぎる場面の前に、飲んでみてはいかがでしょうか。
皮膚科で処方してもらえると思います。
参考文献
1)藤本智子:「多汗症治療の実際」,MB Derma. 309: 53-59, 2021.