香料による健康被害 「香害」
◆化学物質過敏症は増えている
化学物質過敏症は、以前はシックハウス症候群が多かったのですが、
近年は合成洗剤や柔軟剤、化粧品によるものが増えています。
それらに使われている香料によって、頭痛、めまい、吐き気、だるさなどの健康被害が起るため、香害とも言われています。
参考文献によると、化学物質過敏症の患者さんは2000年をピークに
一旦減ってきました。
これは、建築基準法が改正されて、建材の化学物質の規制や、24時間換気のガイドラインが定められたためと思われます。
しかし、2017年より、化学物質過敏症の患者は増加に転じています。
洗剤、柔軟剤、香水、化粧による香害が増えたためと思われます。
人とすれ違ったとき、洗剤や柔軟剤の臭いが気になったことはありませんか。
大半の人は、香料で症状は出ませんが、
いったん感作されて脳が過敏になると、わずかな香料でも症状がでます。
化学物質過敏症を理解するには、
「感作」ということを理解しなければなりません。
◆感作とは
花粉症の発症について、有名な「コップの例え」があります。
毎年、花粉を吸い込むたびに、花粉に対するアレルギーの値が少しずつ増えていきます。
コップに水を注いで、水かさが増えていくようなものです。
コップから水があふれた時が花粉症が発症する時、
という考えが「コップの例え」です。
この例えでいうと、コップの水があふれたことを「感作」と言います。
香料を吸っていても、多くの場合、なんともありませんが、
ある時、「感作」されます。
いったん感作されると、微量の香料で、「頭が痛い」「気持ちが悪い」などの症状が出るようになります。
香害に遭わないためには、特に、洗剤と柔軟剤を見直す必要があるのではないでしょうか。
参考文献
渡辺一彦:「香害で社会生活を奪われた人々」,月刊保団連 1366:11-17, 2022
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