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〔執筆奮闘記14〕ファイナルメッセージは「doメッセージ」

◆医学書には結論がない

健康に詳しい一般人が医学書を読んで感じることは
「結局、何をすればいいのか分からない」です。

「健康番組や健康雑誌」と、「医学書」の大きな違いは何でしょうか。
一般向けの医学情報のファイナルメッセージは「doメッセージ」です。
つまり、「○○を食べましょう」「こんな体操をしましょう」
と、結論に「行動」を訴えています。

逆に、doメッセージでないものに下記があります。
・これがアトピー性皮膚炎の発症の仕組みです。
・糖尿病は大変恐ろしい病気です。
・筋萎縮性側索硬化症は治らない病気です。
・老化は止めることができません。

◆行動を示す

『教える技術』(石田淳著)には、こうあります。

「部下ができないのは、上司が正しい教え方を知らないから」
「教えるのはやる気や根性でなく、行動」
「行動が変われば成果が変わる」

患者さんに禁煙して欲しい時、
「あなたはタバコの本当の恐ろしさを知らないのだ」
「家族の迷惑を考えていない。自分さえよければいいのか」

と、どれだけなじっても効果がないばかりか、反感を買うかもしれません。

勧める行動は
「禁煙外来の予約をしましょう」でしょう。

「アトピー性皮膚炎が治らない!」の患者さんの訴えに
「遺伝だから」「体質だから」
「ストレスがあるから」「かいているから」
「汗をかくから」「冬は乾燥するから」
だから治らないのです、と説明しても、
「解説になっているが、解決にならない」でしょう。

医学の専門書には、病気の概念、原因、疫学、検査、治療など
色々書かれていますが、結局なにをすればよいのかが不明瞭です。

一般向け健康情報は、直球勝負。
「こうしてください」と、すべき「行為」が示されています。

◆最後はdoメッセージ

医学情報を発信するとき、どうすれば焦点がぼやけず、分かりやすい構成になるのでしょうか。

①実行してほしい「doメッセージ」を決める。
②それをファイナルメッセージにして、構成を組み立てる。

という方法が良いのではないでしょうか。

聞いた情報、読んだ情報は、時間と共に急速に記憶から消え去ります。
全てが忘れられても、doメッセージが記憶に残っている。
そして、それを実行して貰えている。
これ以上の嬉しいことはありません。
そのために情報発信したのですから。

ちなみにこの文章のファイナルメッセージは
「してほしい行為をファイナルメッセージにしましょう」です。

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