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〔執筆奮闘記18〕つかみは「風が吹けば桶屋が儲かる」
◆話のつかみ
話の「つかみ」に、「風が吹けば桶屋が儲かる」が使えます。
「つかみ」とは、話の前の、関心を引きつける言葉のことです。
「ガッテン」の例でいうと、
「しみの原因は指と骨です」
「難聴の原因は毛が少なくなることです」
「つやのない毛、切れ毛の原因は空洞化です」・・・などです。
「謎めいた言葉」「意外な問いかけ」、時には「逆説」が、
視聴者や読者の心をがっちりつかみ、本題へと興味を誘います。
今回は「つかみ」の作り方を考察いたします。
◆謎めいたつかみ
意外なつかみには「風が吹けば桶屋が儲かる」の構造が使われています。
風が吹けば土ぼこりが舞う。
土ぼこりが目に入って盲人が増える。
盲人は三味線をなりわいにするため、三味線が売れる。
三味線の胴に猫の皮が使われているため、猫が減る。
猫が減ったらネズミが増える。
ネズミが桶をかじり、桶屋が儲かる。
一文ずつ見ると、因→果の関係にあるため納得できますが、
最初(風が吹く)と最後(桶屋が儲かる)をくっつけると、
謎めいた言葉になります。
つまり、関係として離れた位置にある2つを持ってくれば、
奇抜なつかみになります。
◆離れた言葉をくっつける
「シミの原因は指と骨です」の元の文章は下記です。
スキンケアをする時に「指」を使います。
ほほの「骨」のところがスキンケアで強くこすれます。
こすれる刺激によって、ほほの皮膚が黒ずんで「シミ」になるのです。
「難聴の原因は毛が少なくなることです」はどうでしょう。
耳の奥に蝸牛という器官があります。
蝸牛には細い「毛」が沢山生えていて、
その毛の振動で音を感知しています。
加齢や大きい音を聞きすぎることによって毛が抜けて「難聴」になります。
「つやのない髪、切れ毛の原因は空洞化です」は、
髪を濡れたままこすると、毛の表面のキューティクルがはがれます。
そこから毛の中心成分が溶けて流れだし、「空洞化」を起こします。
その結果、髪の毛のつやや張りがなくなり、「切れ毛」、うねり毛になるのです。
全文を聞くと、なるほどと謎が解けます。
◆奇抜なつかみを考えよう
「風~桶」の構造を利用すると、容易に「つかみ」が作れそうです。
・巻き爪、靴擦れ、キーワードは「ひも」です。
(靴ひもをしっかり締めてないから)
・脱毛の原因は「のど」にあるかも。
(甲状腺ホルモンが関係しているかも)
・老化の原因はサビとコゲ。
(サビは酸化、コゲは糖化)
「ゆっくり走れば速くなる」(浅井えり子、著)
「食べてないのに食物アレルギー」(ガッテン)
という逆説的なつかみもあります。(理由はお考えください)
奇抜をねらって、「つかみ」をひねり過ぎると、
つかみ損ねますので、注意しましょう。
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