爪の黒い線は「がん」を疑おう
◆爪のホクロとメラノーマ
メラノーマ(悪性黒色腫)は、ホクロに似た、
極めて恐ろしい「がん」です。
メラノーマは主に皮膚にできますが、爪にできることもあります。
爪にできるホクロとメラノーマとの違いは、どこにあるのでしょうか。
見分けることができるのでしょうか。
◆爪のホクロ
ホクロというと、丸いものを想像するでしょう。
爪にできるホクロは丸くなく、爪の縦軸に沿って茶色の線になります。
線の幅は、多くは2~3ミリです。
なぜ、丸くないのでしょうか。
爪の根元に爪母と言われる爪を作る工場があります。
そこにホクロの細胞ができると、作られたメラニン色素は、爪に受け渡され、爪が伸びるにしたがって色素も線状になります。
良性である爪のホクロの特徴は、
線の幅が一定であり、色素に濃淡がないことです。
◆爪のメラノーマ
一方、爪にできるメラノーマには、いくつかの特徴があります。
①線の幅が一定でない。(先ほど細くなる)
②色素に濃淡がある。(先が薄くなり、とぎれることもある)
③周りの皮膚に色素がしみ出している。
3つの条件がそろっているとは限りません。
1つでも当てはまれば、怪しいです。
また、良性に見えたものが、数カ月、数年後に悪性になった
ということもあります。
疑わしければ、皮膚科を受診しましょう。
参考文献
1)皆川茜:「手掌足底・爪の色素性病変の鑑別」,日本臨牀 79(増刊号2): 193-198, 2021.
2)岸晶子:「爪甲の色素沈着 - 爪のメラノーマか出血か -」,Bella Pelle 3(2): 145-147, 2018.
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