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ワークショップ初日 落とし穴いっぱい ありがとうアリス

 老師の白羽の矢が立った!というなんとも光栄なお誘いに応えるべく、3日間、XX年前の言語学習の記憶をほじくり返して、準備を進めました。1.5時間で何をするか?3つのワークに絞りました。

 文法も大切だけれど、まずは好きな言語で、「喋って通じて」、「聞き取れて返事ができる」こと。それが私自身の語学学習で最高に楽しいことなので、そこを重視したいと思いました。
 ひらがな・カタカナも覚えていきますが、まずはコミュニケーション。

 クラスは私含めて4名、そのうち1名は大学時代日本語学習歴2年のEさん。彼が声掛けしてくれて、日本語ワークショップが実現した我らのリーダー。
他2名はJくんとKちゃんのカップル、日本語学習初心者。日本のカルチャーやファッションに精通している都会派若者。

時間は週一回1.5時間。大まかに3部構成にしました。

第一部:かるた 当たり前の落とし穴

 日本の伝統遊戯、歌留多(かるた)。シンプルで単語も実用的。
「ぐりとぐらかるた」を使用して、まずは「あ」と「い」から。

「あおいぼうし あかいぼうし ぐりとぐら」

青、赤、帽子、○と△…  順調順調!と思いきや。

青・藍・赤・紅
 中国語の青は藍、赤は紅。全然違いますね。なぜ日本語では青と赤という色が主流になったのか。中国語勉強して2X年。。。当たり前に知っていた単語の理由をなにも説明できません。
 周りにあるものから、日本語の青・藍・赤・紅を探し出して、これが藍、これが赤、と説明しましたが、終いには朱色まで参戦してきたので冷や汗ダラダラのスタートでした。(今もネットで赤・紅・朱の違いを調べながら頭が朦朧としてきました…)


「いちごが いっぱい おいしそう」

いちご、いっぱい、おいしそう…

いっぱい と たくさんの違い
いっぱい:数えられないもの(液体など)によく使われる、溢れ出そうな状況
たくさん:数えられるもの

おいしそう
おいしい:誰でも知っている日本語です。
おいしそう:視覚(嗅覚も?)から予測している。

例)楽しい・楽しそう、柔らかい・柔らかそう

「《い》が《そう》に変わります。」
(この文法まで説明したら、初日からパンクしてしまう。。むしろ私がちゃんと説明できない。。。冷汗)

第二部:耳タコ練習 ありがとアリス スマホとケータイ

 耳タコ練習は私の自信ある勉強法です。これは香港留学時代、広東語を勉強する際に、もっとも実用的で、楽しくて、ためになった学習方法だからです。(あの時の梁先生、ありがとうございました)

 広東語は基本文字がなく口語の言語。とにかく耳で聴いて、話すことが最大の学習方法です。このクラスでは、15秒のCMを繰り返し繰り返し聴いて、暗記して、映像と同じ速度で話せるようになるまで何十回も練習しました。

 留学生時代から時は過ぎ、映画業界で15年。映像のチョイスならちょっと自信があります!今回はみんな大好き、台湾でもコミック・ドラマ共に大ヒットの「今際の国のアリス」第一話から。

 渋谷のスクランブル交差点から一転、今際の国に迷い込んだ主人公アリス(A)、カルベ(B)、チョータ(C)が無人の渋谷で人を探し回ったあと、合流した時の会話。

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だれ、いる・いない、どう、だめ、○○しない

例)誰かいる?(有人在嗎?)
  誰がいる?(有誰?)
  誰かいる。(好像有人在…)

「《ダメ》と《ダメだ》は何が違いますか?」
「《スマホもダメ》でも通じます、《だ》がつくと絶望的です」
私の答えが絶望的です…来週にちゃんと答えを持ってきて説明することにします…

私「《スマホ》はSmart Phoneの略です、英語から来た言葉なのでカタカナを使います」
Eさん「え、、、先生、今はケータイとは言わないのですか?!」
私「私も日本に帰国するとついついケータイと言ってしまいますが、これ(スマホ)のことを、《スマホ》と言います。しかし名前を記入する用紙には、《携帯番号》記入欄などはあります。スマホじゃないケータイはケータイです。」

 果たして正解なのだろうか、なにか間違ったこと教えてしまっていないだろうか。。Eさんショック受けていました。私も日本で自然に「ケータイ替えたんだ」と言って、「あ、昭和」とか思われているのでしょうか。

「携帯番号教えて下さい。」であってますよね?「スマホの番号教えて下さい。」って言うのかな。。明日日本にいる家族にきいてみようと思います。

兎にも角にも、アリスのおかげで大盛りあがりでした。ありがとうアリス。

第三部:オノマトペ クイズ もはやジェスチャーゲーム

 残りの10分で、オノマトペクイズです。絵を見せて、4つオノマトペを読んで、どれがあっているかを当ててもらいます。

台湾にも可愛らしいオノマトペが生活に溢れていますが、日本語とは違いますし、日本語の多種多様なオノマトペ(約4,500~5,000語!)を楽しく覚えれば、そのうち漫画が読めるようになったりしたら楽しいと思いました。

 私自身、私生活でもオノマトペさんにはよく助けられていますし…
例)ほらーあのープルプルしてひんやりしてるあれっ!

絵:散らかってうんざりしているお母さん
問:ゴチャゴチャ、シャキシャキ、もぐもぐ、もりもり

 正解は良しとして、《もぐもぐ》と《もりもり》ってどう説明すればよいのでしょう? 
食べている勢いが強い順に、《ガツガツ》>《もりもり》>《もぐもぐ》ですね。

 今回は一人で一生懸命ジェスチャーしていたので、今度からはみんなにも声出してもらわないといけないな、と思いました。

今後のリベンジと改善点

 母語だから私にとっては当たり前に喋ってきた日本語。

 いきなり色の名称で冷や汗ダラダラしたように、知らない意味、語源、歴史が盛りだくさんです。

でもみんな大人なので、一緒に考えたり、予測してみたり、Eさんが持ち前の明るさと知識で助け舟出してくれたり、ワークショップの楽しさが詰まった1時間半でした。

- 知識・トリビアちゃんと予習する
- 《ダメだ》と《ダメ》の違い
- 《駄目》の語源
- もっとみんなと対話する、日本語をみんなが話そう
- ホワイトボードをキレイに書く

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