海街四人姉妹と人気監督=ベストチョイス
日本語ワークショップに生徒さんが3名増えて、新しいクラスが始まりました!2クラスを担当するなんて、とても光栄です。
このクラスは若者3名、NちゃんとL君のカップル、Eちゃん、そして日本語ワークショップ発起人のEさんも一緒に。
お花の事業をしているので、花の名前でクラス分けにしようと思いましたが、あまりにも幼稚園っぽさが否めないので、先に始めているJくん、Kちゃん、Eさんクラスは《い組》、今日のクラスは《ろ組》とします。忍者学校みたいですけど、また思いついたら修正します!
《ろ組》のL君とEちゃんは全くの初心者、Nちゃんは平仮名カタカナは読み書きOK。1.5時間の構成は変わらず、かるた・耳タコ練習・オノマトペをメインにします。
前回noteで授業を振り返り、教訓から予習した成果が!
まだ記憶に新しい《い組》の初日で、赤・紅・青・藍で冷や汗ダラダラの失態を犯した事を教訓に、ちゃんと予習してから授業に臨みました!
赤:《明るい》が語源になった《あか》、明るい赤、血のような色。赤面や赤裸々などネガティブなイメージがあるので、おめでたい場面には紅が使われることが多い。
紅:紅花で染められた色、鮮やか。紅白、口紅。
朱:黄色がかった赤、鳥居や塗り物などに使われる色。朱肉、朱雀など。
青:海や空、明るい青。色の幅が広く、緑も青と呼ばれることがある。
藍:藍という植物で染めた色、インディゴ。
諸説あると思いますが、調べた結果このように皆さんに伝えました。
うんうん、納得した空気が伝わってきます。良かった、noteで授業を振り返り、予習して良かった…しかし!
色の幅が広い《青》のせいで状況が一転…
N「先生、日本人には《緑》という概念がなくて、全部《青》ですか?」
私「!? いえ、《緑》はあります!でも熟語の中で、《青々とした木々》などと表現します、木は緑ですが、青を使います。《信号》は緑色のライトですが、《青信号》と言います。」
E「信号の3色の言い方を教えて下さい。」
私「《赤信号》《青信号》《黄色信号》…あれ?黄信号だっけ?黄色信号だっけ。。。(冷や汗)」(正式には黄信号だそうです)
N「なぜ黄色だけ色がつくのですか?」
私「えっと、《き》という発音にはたくさんの意味があります。黄色の《き》、木の《き》、気功の《き》。黄色とすれば、色のことだとわかります。」(これでいいのかな…)
E「《赤信号》と《赤い信号》は同じですか?」
私「《赤い信号》ですと、信号のポールとか信号機自体が赤い色に塗られているようにも取れます。」
皆「なるほど、わかりました」
納得してくれて嬉しいのですが、《赤い信号》って《赤い警告シグナル》的なものにも取れますよね。難しいです。
中国語では信号機=《紅綠燈》、赤信号=《紅燈》、赤い信号=《紅色的紅綠燈》。《赤い信号》という単語は今の所使ったことないです。
台湾でも超人気役者勢揃い、監督も大人気「海街diary」
大好評“耳タコ練習”。
今日のチョイスは、是枝裕和監督作品、「海街diary」です。是枝監督は台湾との交流も非常に深く、近年台湾のアカデミー賞である金馬奨にも毎年いらしている監督です。審査員として、プレゼンターとして、金馬期間中の講師としても活躍されていて、昨年コロナ禍で行われた金馬奨にも、スケジュールを最優先し、台湾入国後2週間の隔離を行った上で金馬奨に出席された姿を見た時は、大変感動しました。
私自身も一昨年の金馬ワークショップにも参加し、監督のお話を間近で伺って更に大ファンになってしまいました。台湾でも、もともと知名度は高い監督ですが、「万引き家族」を発表されたあとは特にファンも増えたと感じています。Eさん曰く、ハンカチが涙でグチョグチョになる監督。
今回の「海街diary」も涙無くしては観れない四姉妹の物語。
綾瀬はるかさん演じる長女の幸(B)、長澤まさみさん演じる次女の佳乃(D)、夏帆さん演じる三女の千佳(A)、広瀬すずさん演じる末っ子のすず(C)。
すずが三姉妹の家に引っ越してきた時の玄関先でのシーン。
役者さんも素晴らしければ、セリフも演出も音楽も良くって!!私も、もう一度全編観ようと思います…
まず生徒さんたちは3回画面を見ずに音だけ聞きます。
女の子2人?姐姐(姉)?お店?重いもの持ってる?ダイジョブ?
その後画面を見ます。役者さんが台湾でも人気な方たちばかりなので、皆さんのテンションも上がります。カワイイ…そうです、カワイイのです。
ホワイトボードに漢字の入った文章を書くと、皆さんだいぶ意味も把握できます。声を出して読みながら、一行ずつ説明していきます。
今回の発音で難しかったところ:
「気をつけてね」の《つ》。
《チュ》になってしまったり、「きを“つ”けてね」と強調してしまったり。自然に、相手を思いやるように、スムーズに言えるようになるまで繰り返し練習しました。
「遠かったでしょう」の《とおかった》。
アルファベットにすると、《to o ka tta》、oは繋げて、「とーかった」という発音で良いとして練習。
全体的に皆さんとても発音上手で、4人でロールプレイする際も、「私、長澤まさみ!」「私、綾瀬はるか!」などやる気満々でした。最初はシャイであまり発言しなかったL君も、緊張ほぐれて、諦めずに何度も演じてくれました。
最後は、上に書いたような是枝監督の紹介を皆さんにして、おすすめ作品もシェアしてきました。今日は生徒さんたちにたくさん言葉を発してもらえたので、良かったです。
あ、聴いたことある
授業終わりに、生徒さんたちに伝えたこと。
「今日はたくさん新しい単語を習ったし、平仮名も二文字習って、文法まで勉強して大変だったと思います。まずは飛ばしすぎないように、詰め込みすぎるとパンクします。私が語学勉強で散々失敗もしてきたので、まずは知らない外国語を知ることを楽しみましょう。今後邦画を見たり、日本に行ったときに、『あ、聴いたことある』程度からで大丈夫です。このクラスでいっぱい聴いて、真似して話して、だんだん自分のものにしていきましょう!」
(《いっぱい》と《たくさん》の用法あってるかしら…)
私自身の言語を伸ばしてくれた人たちは、教材だけじゃない、『あなたの話を聴いているよ』『話そうよ』と根気よく向き合ってくれた人たちがいたからです。このワークショップが安心して学べる場所になるよう、頑張っていきたいと思います!
今後のリベンジと改善点
- L君の心が開くネタを用意する
− 遠いです/遠かったです/遠くなかったです
− 疲れ/て/ない?の用法
- Eさん用の課題を考える(インスタ#の付け方練習など)
- ホワイトボードペンの色分けを頑張る