特売のたまご
我が家にとって、スーパーの日曜特売セールは家計を助けるだけなく、小学生の娘と一緒に買い物に行ける日でもある。私はお一人様1パック12個入りの玉子が2パック買え、娘は付添ったほう美に好きなお菓子が買える、両方にとってWinのWinの関係でもある。
しかしよくよく考えれば、特売で浮いた金額より、娘の買うお菓子の金額が毎度多く、つまりいつも余分にお菓子を買わされた計算となり、我が家として特売セールで得した記憶がない。
この日はいつものように買い込んで帰途に着いたが、自分の好きなお菓子が買えたというのに、何やら娘が不機嫌だ。
そしてお菓子はもういらないという。一体どうしたんだと聞いてみると、私が買った玉子に原因があるらしい。
ちょうど最後の玉子2パックを私が買ってしまい、その直後、おばあさんが来て、何ひとつ残っていなかった棚を見つめ途方に暮れていたそうだ。
おばあさんは従業員にたずねたが、完売だと聞きかされ、肩を落としがっかりしていたという。
その従業員とのやり取りを娘がそばで聞いていた。
無慈悲に2パック買ったお父さんが悪いのか、それともおばあさんの玉子が自分のお菓子に変わってしまったのかと一人で考えていた。
誰かが得をすれば、誰かが得をするのではなく、きっと誰かに損をさせてしまう。我々は他人同士でも何かでつながっていて、両方が得をするWinのWinの関係はあり得ないのかもしれない。
どうやら娘は経済の入り口に立ったようだ。
旅は続きます・・・