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「全員採用」で大切な、みんなが参加しやすい仕組みづくりの話

こんにちは。GaudiyというエンタメのDXを推進するスタートアップで、人事・広報を担当している山本(@hanahanayaman)です。

先日、YOUTRUSTさんの「ソーシャルグラフ採用」をテーマにしたウェビナーに登壇する機会をいただき、その内容がイベントレポートとして公開されました。(貴重な機会をありがとうございました🙏)

そのなかで「スタートアップだからこそ、採用で意識しているポイントは?」という質問をいただき、改めていままでの採用活動を振り返ってみて思ったのは、「採用を人事の仕事にしない」ということに尽きるなと。

Gaudiyはまだまだ道半ばで、試行錯誤の過程ではあるのですが、それでもエンジニアを中心に半年で15名ほど(※副業など含む)採用してきたので、全員参加型の採用における工夫をnoteにまとめてみようかなと思います。

スタートアップ採用のひとつの形として、なにかのご参考になれば嬉しいです!

なぜ、採用を人事の仕事にすべきでないのか?

スタートアップ界隈では、ここ数年で「全員採用」「スクラム採用」といったワードを聞くことが増えました。採用を人事だけですべきでない!という認知はもはや一般化していますが、私の思考も改めて整理しておきます。

一番の理由は「採用を全員の仕事にできるか」が企業の採用力を大きく分けるからです。メルカリさん、Ubieさん、LayerXさんなど、これを体現できている企業は事実として採用力があり、事業を大きく前に推進されています。

それはなぜかというと、採用を人事に任せてしまうことで「採用担当の能力やリソースが、企業の採用力のキャップになること」に起因すると思います。

この能力というのは、採用に関する専門的な知見だけでなく、経営・事業・組織の状況把握や各ポジションの業務理解、候補者のプロフィールを理解する力、言語化する力、発信する力など、本当に求められることが多岐にわたります。

単にリソース不足だけであればRPOなどで解決することもできますが、根幹となる採用戦略や採用計画、要件定義などを外部任せにしていては、いつになっても採用力は上がりません。

特にスタートアップでは事業や組織の変化が大きく、採用計画はあってないようなもの。複数ポジションを同時期に採用していることも多いため、人事がそれらすべてを把握することはほぼ不可能です。(この辺りの考え方は、Ubie重藤さんのnoteに共感する部分が多かったです。)

採用を現場主体にすることで、候補者の解像度があがり、事業や組織状況の変化にも柔軟に対応できる。また全員が採用活動に参加すれば、人事だけではリーチできない候補者との接点ができたり、人事だけでは伝えきれない魅力を伝えたりもできる

だから「採用を人事の仕事にすべきでない」というのが私の結論です。

とはいえ「みんな忙しいの知ってるし、採用に時間もらいづらいな…」と思ってしまう気持ちもよくわかります。(わたしもよくある。)

でも採用できなければ、現場の忙しさは永遠に続きます。事業の成長スピードも鈍化してしまいます。結果的に誰も幸せになりません。全員で採用活動をすることが中長期的にみて最適解なので、強い心で立ち向かっていくことが、難しいけど大切なのだと実感しています。

こうした思想がベースにありつつ、私が大切にしているのは「みんなが採用に参加しやすい仕組みづくり」です。協力ではなく主体的な参加です。

ペルソナ定義やJDの作成、スカウト運用、面談などの採用活動も現場と一緒に取り組んでいますが、今回は人事(or 採用を主導する人)ができるちょっとした「工夫」を4つほどピックアップしてご紹介してみたいと思います。

【1】 みんなが参加しやすいスモールステップをつくる

ひとつめは、みんなが参加しやすいスモールステップです。

採用活動にも様々なフェーズがありますが、"全員が参加しやすい" という観点から考えると「リファラル」「カジュアル面談」「ブログ発信」などが挙げられるかと思います。(面接はトレーニングも必要なので。)

弊社の場合は若いメンバーが多く、リファラルしたくても声がけできる人が少ないという社内の声があったので、TwitterやYOUTRUSTのソーシングをみんなでやる仕組みとして「#hr_scouting」というスカウト専用のSlackチャンネルをつくりました。

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直接の知り合いではなくても、SNS上で気になる人はみんないると思うので、そういう人をピックアップして共有するSlackチャンネルです。もともと「#hr_recruit」はありましたが、専用チャンネルを作成することで共有しやすさが生まれたように思います。

またブログ発信では、「ブログを書く」という工程を「ネタを決める / 企画する / メモを作成する / 文章化する / 編集する」に分解し、ブログ制作の負担を複数人で分担することで、あまり得意でない人もはじめの一歩を踏み出しやすいような体制をつくっています。

【2】 みんなが参加しやすいツールを使う

次に、みんなが参加しやすいツールを使うことです。

たとえば弊社でいうと、ATSはHERP Hire(一部Notion)、スカウト媒体はYOUTRUSTを使っています。HERPやNotionは、面談記録やステータスなどの採用にまつわる情報を全員に同期するという観点で使いやすいです。(もちろん情報フルオープン、全員採用という思想がベースにあります。)

またYOUTRUSTは「人」の繋がりで採用できる媒体なので、メンバーそれぞれの繋がりから思わぬご縁が生まれるケースも多々あります。(リファラルだと声かけづらいけど、実は知り合いみたいなパターンも検知できます。)

さらに、カジュアル面談の促進はMeetyを使っています。人事目線では、ソーシングしてスカウト打ってカジュアル面談組んで…というフローの何億倍も効率よいのと、メンバー目線では社外の同じ職種の方との接点を気軽につくれるというメリットがあるので、みんなが参加しやすい仕組みのひとつとして活用させていただいてます。

【3】採用活動の可視化を徹底する

3つめは、採用活動の可視化を徹底することです。「採用に貢献したい」と思っても、会社が今どういう状況で、何を目的にどんな施策が行われているのかがわからないと、自律的に動けなくなってしまいます。

これは自戒なのですが、私の頭の中ではロジックが通っていて色んな施策を実行していても、メンバーからするとなんで今ブログなんだろうとか、Meetyなんだろうとか、ハテナが浮かんでしまうような状況がありました。(実際にはそう言われたわけではなく、みんな協力してくれたのですが、発信が続かなかった時期もあったのでそう感じました。)

そこでまず取り組んだのが、採用において私が考えていることの言語化です。「Gaudiyが採用市場においてどういう立ち位置にあるのか」「なにが課題なのか」「なぜこの施策をするのか」みたいなところをNotionに書き、全社MTGでも口頭で伝えました。

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(このドキュメントは社内向けすぎる内容なのでタイトルだけで…)

また足元でも刻一刻と採用状況は変化しているため、週次の全社MTGでも最新の状況を伝えるほか、7月から採用月報を始めることにしました。

採用月報

構成としては、今月のハイライト→詳細→次月の注力ポイントになっていて、週次だと捉えづらい採用の大まかな動きを伝えるようにしています。

今ここに注力してるんだな、というのがわかるとメンバーも参加しやすくなると思うので継続している施策です。実際にこれを始めてから、ブログ発信が継続できるようになりました。(【1】で書いたような工夫ももちろんセットです。)

【4】みんなが楽しんで参加できる企てをする

さいごに、みんなが楽しんで参加できる企画にすること。

たとえばYOUTRUSTさんの機能に「紹介コメント」がありますが、「お互いの紹介コメントを書き合いましょう」だとちょっと参加しづらいですよね。

ならば飲み会とセットにしてしまえ!という安直なアイデアで、「オフィスで酒盛りしながらYOUTRUSTの紹介コメントを書き合う会」を実施しました。(コロナの感染拡大が悪化する前の時期に行ったものです。)

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当日は7〜8割くらいの人が参加してくれて、たくさんの紹介コメントが集まりました。採用目的で書きっこしましたが、結果的に「この人こういう風に思ってくれてたんだな〜」みたいな発見や嬉しさがあって、社内メンバーにとってもとても良い体験でした。(その後フルリモートになり、YOUTRUSTさんからいただいた「ほめプロTシャツ」を着れていないのが心残り…)

「採用人事」を会社からなくしたい

ここまで書いて思ったのは、参加のハードルを低くして、みんなを巻き込んでいって、全員採用していこう的な、そういう話かもしれません。

そして最初に断っておくべきでしたが、私は2021年4月にGaudiyに入社するまでずっと事業部側にいた人間なので、採用とはなんぞやを語れる立場ではありません笑 ただ、私がこの半年ほど試行錯誤してきたなかで一定の効果を感じている取り組みではあるので、なにかご参考になれば嬉しいです。

今後は、究極的には採用人事を会社からなくしたいと思っています。前職のSELECKでキャスター社の石倉さんに取材させていただいた際に、以下のような話をお伺いしました。(※2020年5月時点の話です)

「一緒に働く仲間を自分たちで集める」「会社のことを自ら発信する」ということが当たり前に思っている人を、最初から集めにいく。そうしたカルチャーの濃さが、bosyu社の採用における強みかなと思います。

また、採用を「人事の仕事」にしてしまうことの弊害もあるかなと思うんですね。もちろん会社の規模にもよりますが、定常的に採用が発生しないうちは、採用人事を置く必要はないと考えています。

(ちなみに「採用を人事の仕事にしない」というフレーズは、石倉さんの受け売りであることをここに明記しておきます🙏 笑)

採用専任の人事を置くことの弊害は「人事がいい人を連れてきてくれない」「業務が忙しいのにまた採用の話か…」みたいな他責思考になってしまうことだと思います。

今は30名ほどの組織規模かつ私も兼務なのであまり課題になっていませんが、今後組織が拡大しても、人事はプロジェクトマネージャー的な立ち位置で各所の調整をするに留め、採用の主体はあくまで現場にある状態をつくりたいと思っています。

弊社では「DAO(自律分散型組織)」という思想を組織運営の指針としており、採用に限らずあらゆる活動を自律分散的に全員でつくり上げるカルチャーが幸いにも根づいてるので、Gaudiyらしい「DAO的な採用」をみんなでつくり上げていきたいです。

採用に近道はないので、地道にコツコツと継続し、アジャイルに改善を繰り返して、最高の仲間を全員で集めていきたい!!エイエイオー

さいごに告知

という感じで、全力で採用をがんばっておりますので、少しでも気になる方はぜひカジュアルにお話しできると嬉しいです。

ちなみにGaudiyは、ファンエコノミーの構築をめざしてエンタメ業界のDXを推進するスタートアップです。ブロックチェーン技術や経済学の知見を取り入れながら、新しくてワクワクするエンタメ体験をつくっています。

直近では10月2日〜3日に開催された「TOKYO IDOL FESTIVAL 2021」にて、NFTを活用したオンラインチケットやLIVEサイン会、動画視聴、ファンコミュニティサービスの提供などをさせていただきました。(詳細はこちらに

心からワクワクする未来に向けてプロダクト開発も組織づくりにも一丸となって取り組んでいるチームです。メンバーも推しメンしかいないので、私じゃなくてもぜひ気軽にポチってください。

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やまもとはなか
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!