私が感じた、スーパーの魚屋さんで働く魅力 その1
私はこれまで、20年ほどスーパーで働いてきました。
スーパーでお買い物されたことのある方はたくさんいらっしゃると思いますが、
スーパーで働いたことのある方はそんなにいらっしゃらないのではないでしょうか。
これから、私を20年もの間夢中にさせたスーパーの、特に魚屋さんの仕事の魅力についてお話ししてみようと思います。
魚屋の仕事の魅力とは
私が考える魚屋の仕事の魅力として、具体的なものを挙げるとすると
1 毎朝が真剣勝負
2 いつだってスリルいっぱい
3 いつだってスピード勝負
4 チームワークがなければ成り立たない
の4つが主なものでしょうか。
今回はそのうちの1つ目、「毎朝が真剣勝負」
ということについてお話ししようと思います。
魚屋で扱っているもの
スーパーの魚屋で取り扱うのは、お店にもよりますが、
1.生のお魚や貝など
2.干物や塩漬けの鮭
3.たらこや明太子などの魚卵
4.冷凍のエビやシーフードミックス
5.魚介を使用した珍味や海藻
が主にあげられると思います。
そのほか、お寿司やお惣菜まで取り扱っているところも多くあります。
このうち、生のお魚や貝類などは、スーパーのお魚屋さんでも主力であり、目玉であります。
アタマ付きの生魚、切り身、刺身などはいうまでもなく、特に鮮度が命の商品です。
加工した当日が消費期限のものも多くあります。
また、消費期限が翌日であっても、ブリやサバなど血合いが変色してしまい、商品としての魅力が落ちてしまうものに関しても当日に売り切らなければなりません。閉店時には売り切れて、陳列ケースは空っぽになっているのが理想なのです。
魚屋の朝
そんなわけで、魚屋の目玉商品の並ぶ陳列ケースは、毎朝ほぼ空っぽです。
朝早くに出勤してから開店までの短い時間のなかで、新しく商品を用意して空っぽの売り場に並べ、お客様のご来店に備えなければなりません。
そして、多くのスーパーがほとんど定休日を設けていません。それでもスタッフはお休みを取らなければなりません。
毎朝、スタッフの顔ぶれや商品の入荷状況、そしてチラシの内容に応じてその都度作業の分担や分量について変更していく必要があります。
ある程度の役割分担が決まっていても、顔ぶれによってはその分担箇所だけに終始しているわけにはいきません。
誰に何ができて、どれくらいのスピードでこなせるのか。
チラシの商品は何で、開店時間までにどのくらい用意しておけば次の追加まで売り場を維持することができるのか。
こうした要素を考慮に入れて、チーム全体のバランスを見ながら臨機応変に行動することが必要です。
毎朝開店時間までの行動計画を立てながら仕事を始めて、
思い通りに上手くはまって良い売り場を作れる朝もあれば、
なんだか歯車がずれてしまってうまくいかない朝もある。
限られた時間の中でどれだけの結果を挙げられるのか。タイムアタック中のヒリヒリした感覚の中で働いている時の気分は、さながら試合中のアスリート。
仕事ではありますが、ゲームのような楽しさを感じることができるんです。
ご来店になるお客様にとってはいつもの売り場でも、スタッフにとっては少しずつ違う朝。毎朝が真剣勝負なのです。