『ぼく』
生きるとか死ぬとか、永遠のテーマ。
考えてもわからない。わからないけど考える。
谷川俊太郎さんの「ぼく」を読んだ。
合田里美さんのイラストが美しくて泣けてくる。
子どもの「自死」を扱った絵本。
「ぼく」は、恨みつらみが出てくるわけではなく、みずみずしく、生きているの延長線上で、ただもうすでにしんでしまったのだと、何度も何度も思い知らされる。
重くるしくはない。決して軽々しくもない。
深く深く、しみ込んでくる。
「ぼく」に思いをはせて、「ぼく」に自分を重ね、「ぼく」にあの子を見る。
ぽっかり開いた暗闇に落ちてしまうことがある。
穴に落ちずに飛び越えていることもある。
特別であって、特別ではない出来事。日々が続いている。
正解はない。
今、目の前にある「生」を問う。考える。
考えてもわからない。それでも考え続ける。