ガチガチの世界観
私の中には、武士がいる。
軟派な所が一切ない、古いタイプの武士なのだ。
とっても頑固。とにかく頑なで融通が利かない。
ならぬ、ならぬ。触れてはならぬ。
ガッチガチのルールで、世界から孤立している。
疎外されているのではない。
自ら、絶っているのだ。
それが、苦しくても、つらくても、悲しくても、さみしくても、とにかく「ならぬ、ならぬ」が変えられない。
それしか知らない。それしかできない。そうしなければならない。
呪いにかけられている。
自分で自分に呪いをかけている。
武士の強さは知っている。
そんな武士はとても弱い。
『ガチガチの世界をゆるめる』という本を読んだ後、とりとめもなく、脈絡もなく、武士のことをを考えていた。
「強さは一律、弱さは多様」
弱さは、人と人をつなげる紐帯なんですね。
ガチは、折れる。
ゆるは、しなる。
このあたりの言葉が、頭の中でリフレインしている。
もっと寛容な社会を望んでいながら、どうしても「自分の弱さ」を認められずにいる。
それでもいいと開き直っているつもりでも、事あるごとに、「弱さ」に打ちひしがれている。
それは、「弱さ」を「悪」だと思っているからなのだろう。
どうでもいいことをウジウジ、クヨクヨ考え続けている私だからこそ見える景色だってある。
それでも大丈夫、生きていける。
そんな私がいてくれてよかった。
心からそう思っている私もいるし、ちょっと疑っている私もいる。
私をゆるすこと、ゆるめることは、世界を変える一歩でもある。
だから自分にやさしくなろう。甘くて結構、上等です。
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